戦闘機訓練に賛否の声

駐機する民間航空機のすぐ近くで行われたF15によるタッチ・アンド・ゴー訓練(17日=奄美空港滑走路)=吉行秀和さん提供


市民グループによる反対運動も行われた(17日=奄美空港展望デッキ)

奄美空港でもF15「タッチ・アンド・ゴー」
デッキに100人以上、関心の高さ

 奄美市笠利町の奄美空港で17日、航空自衛隊のF15戦闘機4機による連続離着陸訓練(タッチ・アンド・ゴー)が行われた。13、15日に徳之島空港で行われた訓練と同様に、敵攻撃により自衛隊基地が使えなくなったとの想定。空港デッキには、地元自治体職員や住民など100人以上が集まり、関心の高さをうかがわせた。

 民間航空機の離発着のない時間帯となる午後4時過ぎ、轟音とともに1機目が姿を現した。滑走路にタイヤがついた瞬間機首を上げ、白煙を残してあっという間に通過した。2機目以降も約1分間隔で同様の離着陸訓練を行った。

 デッキに集まった人は、約5分で終わった訓練にぼうぜんとした表情を見せ、「もう終わったのか」と尋ね合うシーンがあちらこちらで見られた。

 「奄美の自然と平和を守る郡民会議」の関誠之副議長(71)は、「住民への説明もなく頭越しに行われることが腹立たしい」と憤った表情で反対の意思を表した。

 空港近くに住む40歳の男性は、「F15に対する興味があった。オスプレイの着陸も多く、トラブルがないようにしてもらいたい」と話した。

 85歳の自衛隊OB男性は、「最新の戦闘機を目の前で見たかった。こうした訓練は平時に行ってこそ意味がある」と話した。

 大分県出身の69歳の女性は、太平洋戦争に従軍した父親から「大分の民間空港も軍事用に使われていたと聞いた。ウクライナ・ガザなど戦禍にある地域のことを思うと、こうした轟音の中、日常生活は無理。基地の存在に100%反対ではないが、何もないのも不安」と複雑な胸の内を明かした。