知事会見

奄振延長「十分に理解」
自衛隊統合演習「騒音問題など丁寧な説明を」

 塩田康一知事の定例記者会見が17日、県庁であった。来年3月末で期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)の延長・充実について、関係省庁への要望活動や関係大臣との意見交換などを通して知事は「十分に事情を理解していただいている」と手応えを示した。

 奄振法延長に向けて県は昨年度末、総合調査結果をまとめ国に要望するなど地元市町村、県、地元選出国会議員などが一体となって法延長、充実へ取り組んでいる。知事は「法の延長、沖縄との連携、農業の振興など対策充実の議論が進められている」と述べ、今月11日にあった奄美群島日本復帰70周年記念式典出席のため来島した斉藤鉄夫国土交通相と県や地元との意見交換でも国の理解が図られているとした。

 記念式典に出席しての所感では先人の取り組み・意義の共有のほか、「復帰にかかわった高齢の方々に中学生や高校生がインタビューしたのが印象に残った。歴史を引き継ぐなど若い人が当時を理解する、いいきっかけになったのではないか。奄美の歴史や文化を見直す必要性を再認識できた」と述べた。

 奄美群島を含む全国で展開中の陸海空「自衛隊統合演習」では13日に、県内空港で初となるF15戦闘機による離着陸訓練「タッチ・アンド・ゴー」が徳之島空港で行われたが、知事は「南西諸島における安全保障は大変厳しい状況にある。防衛、安全をどう確保するか。(そうした中での自衛隊訓練について)地元住民に対し、騒音の問題、訓練の内容など政府として丁寧な説明が必要」と述べ、訓練の安全性について万全を期すよう求めた。

 原則40年の運転期間が迫る九州電力川内原子力発電所の20年の運転延長が認可されたことに関しては「地元の立地県としては、安心・安全が重要。そういった観点から、県としても専門委員会を設置しているので、県の考えはしっかり伝えたい」と述べ、原子力規制庁の説明や県の専門委員会での議論を踏まえた上で立地県としての考えを表明するとした。

 このほかアジアの貿易・金融の中心地として目覚ましい発展を遂げているシンガポールとの交流会議が21~23日までの日程で、鹿児島市で開かれることが発表された。元外務担当兼社会・家庭開発担当国務大臣のサム・タン氏、駐日シンガポール大使館首席公使のロウ・ホンマン氏らが来鹿。経済や観光セミナー、ラウンド・テーブル・ミーティング、視察などが予定されている。