大島紬技術専門学院 24年度は2人入校

本場奄美大島紬技術専門学院入校式で、入校生の蘇畑三保子さん(前列左から2番目)と磯部叶実さん(前列右から2番目)

織りの技術と伝統継承へ

 大島紬の織り技術者を養成する本場奄美大島紬技術専門学院(黒田康則校長)織布科の2024年度入校式が4日、奄美市名瀬の市産業支援センターであった。蘇畑三保子さん(66)と磯部叶実さん(18)の2人が入校。約2年間機織りを学び、技術と伝統を継承していく。

 入校式には、県大島支庁の松藤啓介支庁長、諏訪哲郎奄美市副市長、竹田泰典龍郷町長、一般財団法人きものの森・矢嶋孝行理事長も出席した。

 黒田校長は「大島紬は長い歴史の中で先人から受け継がれた世界に誇る財産で、先人たちが築いた技と心を、より豊かに育て次世代につなげていくことが私たちの役割」と期待を述べた。

 龍郷町の竹田町長は「時代の変化とともに消費者の着物離れもあり、非常に厳しい状況。島の宝である大島紬を後世に残す取り組みを今後も積極的に行っていく」とあいさつした。

 今年度入校した蘇畑さんは大和村出身で「1年ほど前に仕事を辞め、何かやりたいなと思って探していた時、知人から学院のことを聞きチャレンジしてみようと思った。焦らず地道に続けていきたいと思う」と語り、山口県出身で3月に高校を卒業したばかりの磯部さんは「伝統工芸に興味があり、母の大島紬を見た時に、これだ!と直感し学院の入校を決めた。若い力を最大限に生かし、若い人たちに国を越えて大島紬を知ってもらえるように日々頑張りたい」と意欲を見せた。

 在校生代表で愛媛県出身の川名晴美さん(46)は「私たちもまだまだこれからです。皆さんと一緒に一歩ずつ楽しみながら大島紬を織っていきたい」と激励した。