ノロウイルスによる感染性胃腸炎の発生が名瀬保健所管内(奄美大島5市町村と喜界町)で急増している。第7週報(今月10日~16日)の定点あたり報告数(1医療機関あたり平均患者数)は25・50人で、流行発生警報開始基準(20・0)を超えたことから、同保健所は独自に「流行発生警報」を発令した。
同保健所によると、第7週報の奄美大島の感染性胃腸炎報告数(二つの医療機関から)は51人。1定点あたりが25・5人で、過去10シーズンと比較(第7週)した場合、これまでの最多は16年の4・33人だった。1定点あたりでは1~2人が多く、今年は突出している。なお、前週の第6週は0・00人で、第7週になり急上昇した。
同保健所の相星壮吾所長は「冬場はノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行する傾向にあるが、今シーズンは非常に激しい流行を示しており、注意してほしい。脱水症状により高齢者や基礎疾患のある方は重症化しやすい。症状が出たら早めに医療機関を受診することが重要。高齢者の皆さんが入居する福祉施設などは特に気を付けていただきたい。体調が悪い方は食品にかかわる仕事に従事することを控えてもらいたい」と指摘する。
警報が発令されただけに十分な予防対策が求められるが、相星所長は「日常生活で予防できる」と話す。主な原因となるウイルスはアルコール消毒の効果が乏しいため、一人一人が手洗いをきちんと行うことが大切という。特に排便後、調理や食事の前には、その都度、「石けんと流水で十分な手洗い」を呼び掛けている。
同保健所によると、感染性胃腸炎は細菌やウイルスなどの病原体を原因とする胃腸炎の総称。主な症状は腹痛・下痢、嘔吐(おうと)、発熱。感染者の嘔吐物やふん便を介して人から人へ感染する場合と、ウイルスに汚染した食品を介しておこる経口感染がある。感染例では、▽感染した人の便や吐物(とぶつ)に触れた手指を介して、ノロウイルスが口に入る▽同ウイルスを内臓に取り込んだカキやシジミなどの二枚貝を、生でまたは不十分な加熱処理(中心温度85~90度で90秒間以上の中心部まで十分な加熱が必要)で食べる▽感染した人が十分に手を洗わずに調理した食品を食べる―などがある。

