クロウサギの旅など自然保護をテーマに児童生徒らが熱演した「とくのしま劇団ミュージカル」=23日、徳之島町
【徳之島】徳之島町教育委員会の初事業「とくのしま劇団ミュージカル」の無料公演『きゅら・まーち』が23日午後の2回、町生涯学習センターであった。同劇団の児童生徒たちが、世界自然遺産の島に息づく「クロ介」ことアマミノクロウサギの物語などを歌い踊り、自然保護の大切さを懸命にアピールした。
演劇を通した創造性や表現力、異世代間交流によるコミュニケーション能力の向上、徳之島の自然・文化など郷土学習―を目的とした2024年度新規事業。島内の小中学生ら14人が参加して昨年6月から練習を始めた。
同オリジナル劇の台本・演出・音楽は、元ミュージカル劇団員で同町地域おこし協力隊を経て現在、ダンス教室・徳之島ダンスィングを主宰する大樂大聞さん(30)=鹿屋市出身=に委託。児童生徒の全員が未経験者だったが、保護者たちもバックアップし、週2回ペースで練習を重ねてきた。
ストーリーは、森ではぐれた「クロ介」が親を探しに出かけた旅先で遭遇するさまざまなハプニングと気付き。危険な人間社会の車道や毒蛇のハブ。そしてケンムン、アカヒゲ、トゲネズミ、オビトカゲモドキ、クッカル(アカショウビン)など仲間たち。大地にかえって新しい命の循環を育む自然保護の大切さも明るくアピールした。午後2時と同4時開演の2回上演を計約300人が楽しんだ。
「クッカル」役の吹留(ひいどめ)穂香さん(亀徳小3年)は終演あいさつで「セリフや動きを覚えるのはとても大変だったが、一生懸命準備しました。私はこの劇を通して徳之島の自然、生き物を大切にしたいとの思いがとても強くなった」と強調した。
家族で観劇した同町亀津の窪田初枝さん(50歳代)は「徳之島を愛する気持ちと守りたい気持ちが、音楽と演劇の全てに表現され伝わってきた。今後も継続してほしいです」。嶺山加代子さん(60歳代)=同町花徳=も「長いセリフもダンスも覚えてえらい。島の大切な生き物や自然を大事にしていきたい」とにっこり。
主役「クロ介」役の里悠空(ゆうあ)さん(樟南二高3年)は、実は本番直前のリハーサルで右足を痛めるアクシデントに見舞われて受診後、激痛に耐えての初舞台に立った。「『続けたら折れるかも』と告げられたが、乗り越えられてうれしい。後輩たちにはお客様に対する気持ちを絶対に忘れないで、ミュージカルを楽しむ気持ちで続けてほしい」と話した。

