熊本国税局は1日、2025年分(1月1日時点)路線価を発表した。税務署別最高路線価で鹿児島県内11署の場合、上昇は3署、横ばい5署、下落3署(昨年は上昇3署、横ばい2署、下落6署)となり、上昇数は昨年と同じ、横ばいが3署増え、下落は逆に3署減った。上昇3署は昨年と同じ鹿児島、大島、種子島で、上昇率の最高は種子島の4・9%。昨年最高だった大島が3・8%(昨年4・0%)で続き、引き続き堅調な土地取引となっている。
相続税などの申告の便宜及び課税の公平を図る観点から、国税局(所)では毎年、全国の民有地について、土地等の評価額の基準となる路線価及び評価倍率を定めて公開している。
熊本国税局管内のうち鹿児島県の状況をみると、最高路線価が最も高かったのは、鹿児島市東千石町「天文館電車通り」の93万円(1平方㍍あたり)で、昨年の92万円から1・1%上昇。これに次ぐのが飲食店やホテルなどの宿泊施設がある奄美市名瀬入舟町の「屋仁川通り」の13万5千円(同)で、県内2番目の高さとなり、価格は昨年を5千円上回った。
上昇率の最高は西之表市東町の「東町通り」で、価格は4万3千円。昨年は4万1千円だった。馬毛島の基地開発に伴う工事関係者の流入による「経済効果の期待感から地価は更に上昇した」としている。下落率が最も大きかったのは、南さつま市加世田本町「国道270号線」の2万9千円で、昨年の3万円から3・3%下落した。
県内の地価動向については、国土交通省発表の地価公示(25年1月1日現在)コメントや不動産鑑定士の意見をまとめている。それによると、県内商業地全体の地価動向は、景気動向、背後地人口の減少、郊外の大型商業施設への顧客流出、商圏の分散化等により引き続き下落傾向にある。奄美市の商業地について鹿児島中央鑑定事務所㈱の木下登・不動産鑑定士は「県内でも非常によく、国内の観光客やインバウンド(訪日外国人観光客)も好調。地元の需要(土地取引)も戻ってきているという印象で、全体的にマイナスになる要素はないが、末広地区の中心商店街は弱いというバラつきがある」と指摘する。
県全体の住宅地の地価動向は、依然として下落傾向が続いている。鹿児島市は、市全体としては上昇傾向にあり、鹿児島中央駅周辺地区では、事務所兼住宅、分譲マンション用地等の需要が旺盛で、高価格帯ながらも昨年に引き続き上昇が続いている。
民有地を対象とした鹿児島県の標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値をみると、25年分は0・1%の上昇。昨年の0・7%の下落から上昇に転じた。

