送り盆、変わらぬ祈り

送り盆でにぎわう亀津北区の共同墓地=15日夕、徳之島町

「むちたぼり」で情熱的な舞を披露する手々集落の踊り連=15日午後8時過ぎ、徳之島町

亀津の共同墓地に先祖供養の人波
手々では「むちたぼり」情熱舞う 徳之島町

 【徳之島】月遅れ盆最終日の15日夕、徳之島町亀津北区の共同墓地では、ご先祖や故人の霊を伴って再び墓参する「送り盆」の光景が広がった。墓前には心尽くしの手料理が供えられ、一族の無病息災や繁栄が祈られた。夜には同町手々集落で伝統行事「むちたぼり」が催され、情熱的な〝白布の舞い〟が地域を活気づけた。

 ◆不易の風習受け継ぐ

 徳之島地区では新暦8月13日から15日までの月遅れ盆が主流。本家筋では先祖代々の位牌を祀(まつ)り、帰省した親族と共に茶菓や料理を供えて霊をもてなした。

 送り盆は、亀津・亀徳地区では迎え同様に再び霊を伴って墓参する形が多く、島内のほかの集落では門口や辻先で送り火をたくなど形はさまざま。簡素化の波の中でも、先祖への感謝を表す不変の風景が守られている。

 ◆白布の舞い、夜の集落彩る
 
 徳之島町北端の手々集落(49世帯82人)では、送り盆の夜恒例の「むちたぼり」が手々小中学校を発着点に行われた。頭から白布を被った男性陣と浴衣姿の女性陣が2列で並び、三味線や太鼓に合わせて踊りながら各小組合の代表5軒を訪問。一種独特の〝白布の舞い〟を一目見ようという見物客たちも含め、日頃静かな過疎集落が熱気と笑顔に包まれた。

 「むちたぼり」は五穀豊穣や集落の繁栄を願う「餅もらい行事」の一つで、県は昨年5月、「徳之島の餅もらい行事」として島内の計12組織を無形民俗文化財に指定している。

 月遅れ盆明けの16、17両日は引き続き同町井之川地区の一大伝統行事「浜下(う)り」の「井之川夏目踊り」(県指定無形民俗文化財)が一夜越しで行われるほか、17日午前10時からは亀徳地区浜下り行事の水かけ祭り「ネンケ(ネィンケ・ミンケとも)」が予定されている。