奄美群島の産業育成へ地元金融機関が果たす役割のサポートを語った九州財務局の山本祐実理財部長(29日、奄美新聞社)
7月1日付で南九州4県(熊本、大分、宮崎、鹿児島)を管轄する九州財務局の理財部長に着任した山本祐実(まさみ)氏(53)が来島した。奄美群島には地元金融機関として奄美大島信用金庫、奄美信用組合があるが、地域の産業を支える役割をさらに強化できるよう、国の制度活用やコンサルティング業務の実現へ専門人材の紹介、情報共有を図り「地域経済がより好転するようサポートしていきたい」と述べた。
広島県出身。財務省大臣官房(預金保険機構出向)からの異動。同局での勤務は初めてで、管内視察の一環として県本土だけでなく離島にも足を運んだ。28~29日の日程で滞在し、地元金融機関や商工関係団体などと意見交換した。
理財部の役割について「主に金融と財務に分かれており、金融(金融庁業務)は銀行、信金、信組、貸金業者などの検査と監督、財務(財務省業務)は大雨などの災害に遭った場合に査定により復旧費用がいくらかかるか決めていく」と説明。金融に関しては「奄美群島には二つの金融機関がある。健全な業務により島民の皆さんへのサービスが維持できるよう必要に応じて理財部(鹿児島財務事務所理財課)が関係していきたい」と語る。
地元金融機関との意見交換に基づいた奄美の現状については「医療や介護、建設などの分野は全国的には弱り倒産が増えているが、奄美はそうした傾向にはないと聞く。飲食店もむしろ創業が増えているようだ」とする一方、「地域の産業が良くなり、六次産業化や加工品開発など新たな産業が育たないと人が戻ってこないし、若い人も増えない」と指摘。融資による下支えと同時に産業育成に関わる地元金融機関の在り方に目を向ける。
山本部長は「活用できる国の制度はかなりあるのに知らない人が多く、使い切れていない。人と関わるフロントである金融機関を通じて、なるべく多くの人に知ってもらえるようにしたい」と話す。具体的な方法(手立て)としてはコンサルティング業務が果たせるような専門人材の紹介などを挙げ、「出荷できないとして捨てていた農産物を加工商品にすることでお金に換えるといった取り組みをコンサルで実現する金融機関は全国的に多い。地域経済をより好転させるため、こうした取り組みが奄美の金融機関でもできるようサポートしていきたい。付加価値を高めて、外に高く売っていくという産業がもっと増えるよう財務局として関わっていきたい」と意欲を示す。
初めて訪れた奄美について「妻がやんばる地域(沖縄本島北部)の出身。沖縄は何度も訪れているが、やんばるの風景と奄美大島は似ている」と語り、親しみを感じた様子だ。

