農林水産省門司植物防疫所は、鹿児島県におけるセグロウリミバエ(主にウリ科など果菜類・果実の害虫)の誘殺状況を週単位でまとめ公表している。今年度の奄美群島の誘殺数は552匹と500匹台を超えたが、このところ増加傾向が続いているのが天城町。同町では寄主植物の除去を重点に対策を強化しているものの、オキナワスズメウリ(野生寄主植物)が多く繁殖しており、管理されていない箇所のためハブの危険性から対応に苦慮している状況だ。
植防によると、最新の今月15~20日の週まとめは110匹。9月の週までは最多で20匹台だったが、9月30日~10月6日54匹、7~14日99匹と急増しており、最新週で初めて週あたりの誘殺数が100匹を超えた。
今年度の合計を市町村別にみると、100匹超は、最多の知名町(151匹)に続き、116匹で同数の天城町と与論町。この3町計は383匹で、全体の69・38%と7割を占める。今年度当初は緊急防除が行われている沖縄県に近い与論町での誘殺が目立ったが、このところ多いのは知名町と天城町で、最新週(知名28匹、天城32匹)とその前の週(知名25匹、天城26匹)では天城町の方が上回った。
天城町農業センターによると、誘殺数の増加が続く中、町では適切な防除と不要な果実の除去・廃棄の周知を図っている。啓発用のチラシを作成し、9月の区長会で全世帯への配布を依頼。毎週月曜日夕方には、各集落に放送される防災無線を通し「不要な果実は適切な処理(埋設、密閉・陽熱、茎葉の早期片付け、冷凍)」を呼び掛けている。
防除で重点にしているのが、幼虫の寄生を防ぎ発生を抑制する寄主植物(果実)の除去。ニガウリ、カボチャなどを除去しているが、町農業センターは「徳之島3町の中でも天城町は野生植物のオキナワスズメウリが多く繁殖している。日当たりのいい山手側、県道沿いでも見られ、除去しても除去しきれない」と説明する。こうした寄主植物を関係行政機関が中心になり毎週除去に取り組んでいるが、オキナワスズメウリの除去量が170㌔と全体の半分以上に達しているという。
オキナワスズメウリのように野生の寄主植物は、除去作業を進める上でハブの危険性がある。専門家からは「ハブが生息する徳之島や奄美大島での防除では、沖縄県で進められているセグロウリミバエの不妊虫をヘリコプターで放飼する取り組みが必要ではないか。現状ではまん延防止につながらない」との指摘がある。

