甕(かめ)貯蔵の黒糖焼酎を試飲する海外バイヤー(30日、奄美大島酒造)
海外の酒類事業者が本格焼酎や黒糖焼酎の技術・文化を学ぶことで継続的な販路拡大を図る講座「鹿児島焼酎アカデミー・プロモーション&セールスマスタリー」が27~31日、県内各地の焼酎酒造会社などで開かれている。北米・ヨーロッパ・アジアから参加したバイヤーらは30日、龍郷町と奄美市の蔵元を訪問、製造工程を視察し、歴史と伝統をつないできた黒糖焼酎の可能性を探った。
日本の「伝統的酒造り」が昨年12月、ユネスコ無形文化遺産に登録されたことを受け、県と県酒造組合が初開催。海外で活動する酒類流通業者や、酒販店・飲食店の仕入れ・販売責任者など15人が参加した。参加国(地域)は、アメリカ・カナダ・フランス・ドイツ・台湾・香港・ベトナム・シンガポール。
一行は、鹿児島大学で2日間、▽焼酎の歴史と文化▽芋焼酎・黒糖焼酎の原料・製法▽焼酎ベースのカクテル―などについて講義を受け、3日目には、芋焼酎の蔵元見学なども行っていた。
この日は、奄美市笠利町で黒糖の製造工場を見学した後、龍郷町の奄美大島酒造を視察。蒸気で黒糖を溶かす「溶解」や、もろみを加え発酵させる「三次仕込み」、蒸留などの工程を約1時間かけ体験しながら学んだ。
香港の輸入会社でマーケティングや仕入れ業務を担当しているというチョン・ウィングさん(32)は「香港ではここ数年、焼酎のリクエストが増えつつある。チャンスではあるが、香港人の好みは芋焼酎。黒糖焼酎は、樽醸造に可能性を感じた」と話した。
同社の水間貴浩取締役(39)は「黒糖焼酎の知名度は、世界的にも低い。わが社の輸出量もごくわずか。海外バイヤーが興味を示し、販路が広がってくれればうれしい」と今後の展開に期待した。
この日は、奄美市の西平酒造も見学した。31日は、龍郷町の町田酒造を訪れる予定。

