固有種大量持ち出し懸念

世界遺産地域の保全と観光の在り方について協議した自然遺産関連2会議(5日、大和村防災センター)

行動計画・マスタープラン改定協議
自然遺産地域連絡会議など2部会

 「2025年度奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議」と「同奄美群島世界自然遺産保全・活用検討会自然利用部会」の奄美大島部会(環境省など主催)が5日、大和村の同村防災センターであった。関係者約70人(オンライン含む)が参加。世界自然遺産地域の適正な保全・管理の基本方針を定めた「包括的管理計画」が今年度中に見直されることに伴い、「地域別行動計画」と「持続的観光マスタープラン」の改定を協議した。

 連絡会議は、世界自然遺産に登録された四つの地域を共同で保全・管理するための組織。奄美大島部会や徳之島部会などが設けられている。利用部会は、観光のルール作りを専門的に進める機関。

 行動計画の進捗(しんちょく)について報告があり、2月の会合で宇検村や大和村の首長から提起された「ノヤギ対策」について、計画的な捕獲となっていないとして、評価を5段階の「2」とした。

 固有種・絶滅危惧種への人為的影響についての指標となるモニタリング計画に基づく評価は、交通事故の発生状況と飼いネコの管理状況について、下から2番目の「B評価」とした。

 野生生物の持ち出しについては、19年度に5件だったものが、22年度40件、23年度59件、24年度84件と増加傾向にあり、25年度も9月末時点で69件と報告。

 これについて参加者から「法的根拠がなければ防止できない。県の天然記念物指定を急いでほしい。(事例の多い)シリケンイモリの大量持ち出しを水際で防ぐことができる。金銭目的の相手にお願いベースでは自然環境を守れない」と厳しい意見が上がった。

 これに対し、環境省奄美群島国立公園管理事務所の広野行男所長は「大量捕獲を理由に指定することは難しい。(生態系に影響するという)裏付けが必要になってくる」と答えた。

 龍郷町大勝の休耕田に侵襲している〝地球上最悪の侵略植物〟と言われるナガノツルノゲイトウを危惧する意見も上がった。同町の担当者は「防除の取り組みを進めているが、解決には長期間を要する」と説明した。

 このほか、道路脇の除草作業がアメリカハマグルマの生息環境を広げる懸念があるなどとする意見もあった。

 両部会では、今年度中に改訂素案をまとめ、26年度中の改定を図る。