セグロウリミバエの防除対策では不妊虫放飼を含めた広域での防除体制整備を提案した(沖縄県で行われている不妊虫の増殖=沖縄県提供写真=)
県開発促進協議会(会長・日高滋県議会議長)は6日、2026年度政府等の予算編成に関する提案活動を行った。提案事項は91項目(うち重点が42)で、重点の新規では主にウリ科の果菜類に被害を与える重要害虫セグロウリミバエなどの防除対策について、農林水産省に対し不妊虫放飼を含めた広域での防除体制整備を提案した。
日高会長、交通通信・商工観光・農林水産・厚生教育部会の部会長らが出席し、提案事項について県選出国会議員への説明会後、開促協の高岡秀規副会長(県町村会長=徳之島町長)、迫田秀三副会長(県町村議会議長会長=中種子町議会議長)、塩田康一知事が加わり、関係省庁を訪問しての提案活動が行われた。
このうち農林水産省で広瀬建政務官に直接提案したのは、農林水産物の輸出拡大に向けた支援の充実と経済連携協定への対応、植物防疫対策の推進の二項目。植物防疫対策では「特殊病害虫等の分布拡大を阻止する侵入対策の充実」を提案し、この中で「ミカンコミバエを始めとするミバエ類の侵入警戒体制の強化を図るとともに、万が一、侵入した場合には迅速かつ適切な防除が実施できるように必要な予算確保」「特に今年3月、県内で初確認されたセグロウリミバエについては、国が主体となってまん延・定着しないよう防除対策の確立を図るとともに、不妊虫放飼を含めた広域での防除体制の整備」を求めた。
国土交通省で黒田昌義官房長に行った直接提案は、奄美群島開発事業予算の確保・充実も取り上げた。26年度予算については、奄振計画に基づく各種事業を着実に実施できるよう、概算要求額の満額確保、25年度補正予算の確保、これらに伴う特別交付税措置等の拡充を提案。交付金に関しては、▽農林水産物等輸送コスト支援にかかわる対象品目数の拡大▽奄美群島―沖縄間における航路・航空路運賃軽減の対象者の拡大等の制度の拡充▽沖縄振興に関する諸施策の状況を参考とした国費率のかさ上げ―などを図り、必要な予算額を十分に確保するよう要望した。
奄美関係の提案に対する省庁側の受け止めについて県総合政策課の萩元慎治・計画管理室長は「農水省の広瀬政務官は、しっかりと対策をやっていくという姿勢を示した。国交省の黒田官房長には、こちらの説明をしっかりと聞いていただいた」と振り返った。
県開促協の提案活動は概算要求前の夏と年末にかけて予算編成が本格化する前の秋の年2回行っている。
農林水産省門司植物防疫所は、セグロウリミバエ(主にウリ科など果菜類・果実の害虫)の誘殺状況を週単位でまとめ公表している。最新週(10月21~27日)の奄美群島での誘殺数は103匹となり、前週(15~20日=110匹)に続き2週連続で100匹以上となった。
最新週の市町村別誘殺数は、38匹となった知名町が最多。次いで天城町30匹、伊仙町13匹、和泊町11匹となり、この4町が10匹以上。緊急防除が行われている沖縄県に近い与論町は年度当初にかけて誘殺数の大半を占めたが、8月以降は減少が続いており、最新週も1匹にとどまった。
今年度の合計は655匹。前週は500匹台で、週更新のたびに100匹単位で増えている。市町村別にみると、最多は知名の189匹で、天城146匹、与論117匹と続き、100匹以上はこの3町のみ。3町計は452匹で、全体の69・00%と7割を占めている。
防除作業は寄主植物の除去を重点にして進められている。野生の寄主植物(オキナワスズメウリ)が多く繁殖しており、ハブの危険性から作業に課題を抱えているのが徳之島。島内3町別の誘殺数(今年度計)で天城以外は伊仙町60匹、徳之島町56匹で、天城を含む徳之島3町計は262匹となっている。徳之島、同様にハブが生息する奄美大島では沖縄県で進めれているセグロウリミバエの不妊虫をヘリコプターで放飼する取り組みを求める指摘がある。
セグロウリミバエは体長約8~9㍉の小型のハエの一種。雌が果実に産卵し、果実内で幼虫の食害が進行すると果実が腐敗・落果する。幼果から熟果まで、広い生育段階の果実に産卵。家庭菜園の寄主植物で幼虫の寄生が確認される傾向にあることから、国や県などの関係機関は地域住民に対し、家庭菜園など害虫防除(農薬散布)を行わない園地では、ウリ科野菜などの寄主植物の栽培を自粛するよう要請している。

