多彩な催しでにぎわった本場奄美大島紬伝統工芸士会の創立50周年記念イベント
廃糸を使った50周年記念アートにも大勢の人が関わった
本場奄美大島紬伝統工芸士会(南祐和会長)の創立50周年の記念イベントが29日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。会員や来賓、関係者ら約200人が出席し、半世紀の節目を祝福。セレモニーや講演、ファッションショーなどの多彩な催しを通じて、技を紡いできた先人たちに感謝し、次世代の技術継承に誓いを新たにした。
同会は1977年に発足。経験12年以上の本場奄美大島紬製造従事者で、認定試験に合格した職人46人で構成。これまで培った長年の経験や伝統の技を通じて、産地の発展や後継者育成に努めてきた。
セレモニーで南会長は「もう一度大島紬について考え、後輩の代に残す機会にしていこう」とあいさつ。表彰式があり、歴代会長や永年功労者の功績がたたえられた。
記念講演では、元高島屋の呉服部門担当者で池田企画代表の池田喜政さんが登壇し「技と美のモノ創り」をテーマに講話。近年の呉服業界の低迷には、▽産地、作家の非差別化▽色調・デザインなどの独自性欠如▽買いたくなる商品がない―などに要因があると述べ、「本当に望まれる商品とは何か。顧客視点が重要。百貨店などは富裕層の顧客を知っている。今こそ作り手、売り手が力を合わせるべき」などと呼び掛けていた。
ファッションショーでは、大島紬アンバサダーの10人が、泥、白、モダンなどの年代別の大島紬を現代風に着こなし、あでやかに会場を練り歩いた。会場の外では、廃糸を使った「みんなで作ろう紬アート」も好評で、大勢が協力して作品を完成させた。
最後は、奄美3世のタナカアツシさんの「奄美を唄う」と題する記念ライブを実施。この日のために作った新曲「ゆめつむぎ」などで盛り上がり、節目を喜んだ。
30年功労者表彰を受けた榮夏代さん(82)は「工芸士には技術を次の世代につないでいく責任がある。こうして節目を祝えたことを誇りに感じる」と笑顔だった。
会の後は場所を移し、祝賀会も開かれた。
被表彰者は次の通り。(敬称略)
▽歴代会長表彰 瀧田義幸、南祐和、原正仁、古田重彦、南愛子
▽永年功労者 長谷川千代子、貞健一、原正仁、榮夏代、肥後明

