ブローと尾びれに歓声が上がる
ボートから観察する参加者ら
奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)は4日、奄美市名瀬小湊地区の住民らを対象にしたホエールウォッチング体験ツアーを開いた。約50人が参加し、沖合でザトウクジラを観察。クジラのブローに参加者らは大歓声を上げた。
住民を対象にした体験ツアーは地域貢献活動として2021年から始められている。ザトウクジラの繁殖領域となっている奄美大島近海の価値やホエールウォッチングへの理解を深めてもらおうと、観光客向けホエールウォッチングツアーの開始時期に合わせて実施している。今回はマリンスポーツ奄美、ダイブスピーシーズ、ブルーゲイトの3社が参加し、船を出した。出現数のピークは例年2月中旬。今シーズンの来遊は昨年12月16日、奄美市笠利町佐仁沖で初クジラの目撃情報があった。
乗船前にスタッフから参加者らに「ザトウクジラは成体の体長約13~15㍍、体重約30~40㌧。冬季にロシア周辺海域から奄美近海に来遊し、出産や子育て、繁殖のため数十日間滞在する。ブロー(息継ぎ)が3~4㍍上がるので、それが探す手掛かり」などの説明があった。
ツアーには小湊に住む親子連れなどが参加。参加者らは3隻に分かれて乗船、午前9時に小湊漁港を出港し、沖合でクジラを探した。1時間後、同市笠利町沖で1頭のクジラを確認、参加者らは目の当たりにするブローに歓声をあげた。
下船後、才秀樹副会長から「たくさんの子どもたちの参加もあり、奄美の海にはクジラがいることを伝えることができたと思う。ルールを守りながら、来年、10年後、30年後も観察ができたらいい」。この日の個体について「体長が約8㍍と小さいので、去年奄美の海で生まれ、最近母親から独り立ちしたばかりの子クジラと思われる。これからベーリング海に戻るところだろう」と話があった。
父方の祖母の縁で、今回初参加したという関西から初奄美の水田萌那さん(18)は「初めての奄美、自然がたくさんあって、とてもいい所でした。ホエールウォッチングにも参加でき、目の前で見るクジラの迫力に圧倒されました」と目を輝かせていた。また子ども2人、陽夏人(ひなと)(9)君、結夏人(ゆなと)(5)ちゃんと参加した山本克己さん(41)は「子どもたちと見れていい思い出になりました」と話した。
同協会によると、昨シーズンの奄美大島海域発見頭数は過去最多となる1110群1801頭、参加者も過去最多の7789人に。うち175群は母子群で、奄美大島北部で26日間、南部で12日間停留した母子群も確認された。今月3日から本格的に観察が始まり、3月末まで開催される。ピークは1月中旬から3月10日ぐらいまで。
親子クジラへの負担軽減など新たなルール変更なども設けられている。

