今春誕生する「県一漁協」に参加することから名瀬漁協としての初競りは最後となった
野菜の入荷量は地場産の割合が低く、移入品を合わせた量も昨年を下回った名瀬中央青果の初競り
奄美市の名瀬漁業協同組合(境喜美夫組合長)と名瀬中央青果㈱(中村博光社長)が運営する市公設地方卸売市場で5日朝、今年の初競りがあった。両市場の開始式には安田壮平市長も出席。地域経済の好循環へ「島の台所」の活気を願ったが、水産物を取り扱う漁協は組織再編として県域で合併する「県一漁協」が4月1日に誕生することから、名瀬漁協としては最後の初競りとなった。
同市名瀬港町の名瀬漁協では午前6時半からあり、乾杯で今年の豊漁と安全操業を祈願。境組合長は「漁協を取り巻く環境は燃油や資材高騰、組合員の高齢化でますます厳しい状況にある」とした上で、安定した漁協運営へ「県漁連(県漁業協同組合連合会)が進める県一漁協により乗り越えなければならない。組合員の理解により名瀬漁協も加入することができる」と述べ、県一漁協への参加が漁協運営安定につながるとした。安田市長もあいさつで漁協組織再編の動きに期待感を示すとともに、担い手育成や輸送コスト支援に引き続き取り組むとした。
荷さばき所には奄美近海産の魚介類が並び、仲買人がチビキ、サワラ、エラブチ(ブダイ)、島タコを競り落とした。初競りの総水揚げ量は280㌔。昨年(約1㌧)を大きく下回ったが、同漁協によると年末年始は海上のしけにより漁船が操業できず、前日の4日もうねりがあり影響が残った。
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名瀬中央青果は同市名瀬長浜町の市場で午前8時半から開始。中村社長は「昨年は台風の影響が少なかったことで地場産の量が多い。生産者は品質のいい物をたくさん作り、仲買人が多く購入して消費者に届けることで地域経済の好循環が図れる。仲買人は消費者の声を市場にも伝えてほしい」とあいさつ。野菜や果物など地場産物を観光客にPRしようと、市内ホテルを通して市場の競り見学働き掛けにも取り組んでいるとした。安田市長も地場産物を紹介し「津之輝(つのかがやき)やポンカンなど多くのかんきつ類、フダンソウやフルなど新鮮な野菜が入荷している。農業振興が地域経済活性化につながる。市としても食と農の総合戦略策定、フルーツアイランド推進に取り組んでいる」と述べた。
3本締めで今年の豊作を祈願し、安田市長の鐘の音を合図に初競り。奄美大島内の生産者からの出荷(野菜はダイコン、キャベツ、キュウリなども)だけでなく、徳之島からショウガが入荷した。
総入荷量は3938・5㌔(うち地場産2750・4㌔)、販売額は91万7千円(同64万3千円)。入荷量の内訳は全て地場産だったスターチスやキク類などの花き292・5㌔、果物1677・1㌔(同1613・1㌔)、野菜1962・7㌔(同843・6㌔)。果物も地場産の割合がほとんどを占めたが、野菜は42・97%と半分に届かず島外産地からの移入品の割合が高い状況にある。昨年初競りの入荷量は花き33㌔、果物444㌔、野菜2215・5㌔で、野菜のみ下回った。

