龍郷町で群島かんきつ振興大会

生産農家らが講演や研修などを通じて情報共有した奄美群島かんきつ振興大会

産地発展へ方策確認
視察や講演、研修で情報共有

 第6回奄美群島かんきつ振興大会(奄美群島農政推進協議会主催)の式典が23日、龍郷町のりゅうゆう館であった。生産者やJA、行政関係者ら約110人が参加し、タンカンなどの果樹振興の方策を確認。県内有数のかんきつ類の産地としての発展を誓い合った。

 大会は、産地の技術向上やブランド確立による経営安定などを目的に3年ごとに開催。一行は午前中に果樹園を視察した後、午後から式典に出席し、産地報告や基調講演、研修などを通じて、産地発展のための情報を共有した。

 奄美大島選果場管理運営協議会フルーツブランド確立推進員の熊本修さんは「奄美大島のかんきつ振興と防風対策について」をテーマに講話し、同協議会が進める「あまみフルーツアイランド事業」の事業概要を報告。台風の襲来が減少する近年で、おろそかになりつつある防風樹の必要性も伝え、「奄美地域は台風の常襲地帯。果樹栽培には、防風樹の整備は大前提だ」と訴えた。

 基調講演では、「タンカン栽培における土づくりと肥培管理のポイントについて」「果樹の新たな担い手確保に向けた就農支援体制の確立について」をテーマに2氏が登壇。赤黄色土や暗赤色土などの土壌から成る奄美地域の土づくりには「酸度矯正(pH改善)」と「有機物(堆肥(たいひ)など)の施用」が欠かせないと説く県農業開発総合センターの田中正一専門普及指導員は、肥料の養分の役割や施肥時期などのポイントを説明。熊本県芦北地域で取り組む「担い手確保」に向けた先進事例を発表した同県農業普及・振興課の丹信広参事は、誘致、お試し研修、リリーフ園制度の構築といった一連の活動を紹介し、早期に就農定着することの利点を訴えた。

 研修では、鹿児島大学農学部の髙山耕二准教授が、アマミノクロウサギ対策会議が作成した「クロウサギ農作物被害対策マニュアル」をひも解き、金網柵、ワイヤーメッシュ柵、電気柵の効果などを解説。「農業栽培でのクロウサギ対策は欠かせない作業になりつつある」とした上で、「クロウサギは保護すべき存在でもある。保護と農業被害対策を両立させるモデルを一緒に作り上げていきましょう」と呼び掛けていた。

 最後は、関係者が一丸となって取り組みを実践するための大会宣言文も採択した。