参加した高校生の質問に答える湯木正史獣医師(8日、奄美市名瀬のAiAiひろば)
奄美大島から動物にかかわる職業に就く人を増やしたい――との思いを込めた市民公開講座「動物の〝元気〟を守るプロの仕事~獣医師ってどんな仕事をしているの~」が8日、奄美市名瀬のAiAiひろばであった。高校生を中心に約30人が参加。30年以上、小動物臨床に携わり、奄美大島での診療も行っている湯木正史獣医師(58)が、仕事内容、大学卒業後の進路、離島の獣医療の実例などをわかりやすく解説した。
講座は、けがをしたアマミノクロウサギや鳥類の治療を専門に行っている「奄美野生動物医学センター」(新屋惣センター長)主催。
湯木獣医師は、岐阜大学獣医学部の客員教授。動物医療の内科分野において高度な知識と技能を持つ「獣医内科専門医」として愛知県で動物病院を経営、奄美市のゆいの島どうぶつ病院でも隔月、「内科専門診療」を行っている。
全国で獣医学部のある大学は17(国立10、公立1、私立6)。国公立の定員は30~40、私立は80~140。1年間に医師が約9500人誕生するのに対し、獣医師の国家資格合格者数は約千人に過ぎない。
湯木獣医師の説明では、卒業後の就職先は動物病院が約半数を占め、約35%が公務員だが、近年公務員志向の人が増える傾向にあるという。
臨床獣医師の仕事については、▽小動物(イヌ・ネコ・ウサギなど)▽産業動物(ウシ・ブタなど)▽エキゾチック(鳥・両生類・は虫類など)▽競走馬▽野生動物▽展示動物(動物園、水族館)が対象になると説明。
高度医療を提供する大学付属病院では、MRI(磁気共鳴画像装置)やCT(コンピューター断層撮影)、放射線治療機を備え新薬や新療法の開発の機能を持つところもあると説明した。
大島高2年の孫田龍(まごた・ろん)さん(17)は高齢ペットの安楽死をどう考えるのか質問。湯木獣医師は、「獣医師2人、飼い主2人で話し合い、4人の意見が合致して初めて行う」と答えた。
15歳の高齢犬を飼っており、深刻な問題だったという孫田さんは「海外では安楽死が当たり前と聞き、獣医の考え方を聞いてみたかった。複数で判断すると知り納得する部分もあった。獣医師への関心が高まった」と話した。
企画した新屋センター長は「進学前の高校生が多く意義のある講演となった。これからも獣医師や獣医療へのへの関心を高めていきたい」と期待した。

