先輩の特定看護師・浅野さん 天城町北中で職業講話

災害医療支援の体験談も交えた職業講話で後輩らにエールを送った浅野京香さん=14日、天城町北中で

「今の積み重ねが将来の力に…」
被災地での医療支援も説明

 【徳之島】天城町立北中学校(棈松義幸校長、生徒数76人)で14日、「夢講話」(キャリア教育講演会)があり、同校卒業生で徳之島徳洲会病院の特定看護師・浅野京香さん(35)が講師を務めた。「いつかはこの島で~看護師としての夢と挑戦~」と題し、自身の歩んできた看護の道や災害医療支援の現場経験を語り、「夢は決まっていなくても大丈夫。今の積み重ねが将来の力になる」と後輩たちにメッセージを送った。

 浅野さんは北中時代、バレーボール部主将や生徒会活動に励み、当時は獣医師に関心を持っていたという。看護師を志したのは高校卒業時で、同じく看護師である母の影響を受け、県内の専門学校へ進学。卒業後は産婦人科勤務を経て、子育て環境を考え故郷・徳之島へ戻った。現在は、医師の指示のもと一定の医療行為を担う「特定看護師」の資格を生かし、褥瘡(じょくそう、床ずれ)処置や救急対応の指導など、島の医療を支えている。

 講話の後半では、浅野さん自身も参加する全国徳洲会グループ主体の災害医療支援NPO法人「TMAT(ティーマット)」の活動を紹介。「生命だけは平等だ」の理念のもと、国内外の被災地での医療支援の様子を映像とともに説明した。

 うち2024年元日に発生した能登半島地震被災地での体験では、「避難所で寝たきりの高齢者の皮膚状態が悪化していた。医療だけでなく、医師も参加しての栄養管理や清掃など、今できることを必死に行った」と振り返った。また、地元で開催のトライアスロンIN徳之島大会での救護活動にも触れ、競技中の死亡事故防止などにTMATと地域医療の連携の重要性を強調。また「災害発災時には中学生の力も地域の大きな支えになる。まずは掃除やあいさつなど、当たり前のことを大切にしてほしい」とも呼び掛けた。

 講話の締めくくりには、「夢は一つでなくてもいい。島を出ることがあっても、徳之島で育った経験は必ず力になる。故郷を誇りに思ってほしい」とエールを送った。

 後輩生徒の一人・松山希乃愛(きのあ)さん(1年)は、「困っている人を一生懸命助ける姿がとても印象的で、看護師の大変さと大切さを学んだ。私も目標の看護師を目指してがんばります」と話していた。