奄美大島 オオトラツグミ一斉調査

オオトラツグミの鳴き声を確認するボランティア調査員(22日午前6時頃、奄美市の奄美中央林道)

 

 

 

奄美大島だけに生息する国指定の天然記念物「オオトラツグミ」(幼鳥)=資料写真=

 

 

 

さえずり個体数115羽 過去2番目で「安定傾向」

 

 

 奄美大島だけに生息する国指定天然記念物の野鳥「オオトラツグミ」の一斉調査が22日、奄美市から宇検村を結ぶ奄美中央林道であった。島内外のボランティア参加者75人がさえずりを聞き取り、115羽の生息を確認。過去最多の24年(117羽)に次ぐ数で、

 主催のNPO法人奄美野鳥の会は「過去10年、天候不良など調査環境による増減は見られるが、生息数は安定傾向」と見解を示した。

 オオトラツグミは奄美大島の常緑照葉樹林に生息。森林伐採などで個体数の減少が続いたが、環境省は今月公表した、改訂版レッドリストで「絶滅危惧Ⅱ類」から「準絶滅危惧」へ引き下げ。1994年から始まった同会の調査でも、開始当初50羽前後だった生息数が近年は100羽前後を推移し、回復傾向が見られる。

 午前5時半から始まった一斉調査は奄美中央林道(約42㌔)で約1時間実施。2人1組の参加者が往復4㌔間で、鳴き声がした時間と方角を地図上に記録。夜明け前の限られた視界の中、「キュロロ」という特徴的な鳴き声を頼りに生息数を確認した。

 奄美野鳥の会会員で奄美市名瀬の有村そのえさん(62)は同会の森井由加さん(58)と4回目の参加。この日は曇り空での調査となり、「聞き取りはしやすかったが、晴れの日に比べて鳴き声は少なかった印象」とし、「新たに自然の魅力を発見できる貴重な機会。今後も調査に協力できれば」と話した。

 永井弓子会長(51)は環境省レッドリストの見直しについて、「大変喜ばしいこと。33回にわたる調査もお役に立てたと思う」と述べ、「中央林道では崩落など、調査環境の課題もあるが、環境省の調査と並行して、奄美の貴重な固有種を見守り続けたい」と語った。