東京農大生13人 伊仙でファームステイ

伊仙町内の農家に約1か月半滞在し、農作業奉仕体験や行事参加を通じて地域と交流した東京農大生らと地元関係者(提供写真)

 

 
 
農業と地域交流で実践学習

 

 

 【徳之島】徳之島の伊仙町でこのほど、東京農業大学の学生13人によるファームステイが行われ、農繁期の地元農家の下で農作業や地域交流に取り組み、実践的な学びを深めた。

 同実習は同大の授業の一環。町内の個人農家有志が受け入れ、「とくのしま伊仙まちづくり協同組合」が調整・支援を担った。2024年夏に始まり年2回実施、今回で4回目。伊仙町は同大と包括連携協定を結んでおり、継続的な地域連携の取り組みとして注目されている。

 今春は2月6日から3月25日までの約1か月半(45日間)にわたり滞在した。学生らは、旬の新ジャガ「赤土新ばれいしょ春一番」の収穫をはじめ、「徳之島コーヒー」の収穫や焙煎、タンカン、島バナナ、サトウキビなど、多様な農作物の作業にボランティアで従事。作物ごとに異なる工程や管理方法にも触れ、座学では得られない知識と経験を身につけた。

 また、地域行事にも積極的に参加。「徳之島コーヒー収穫祭」では、地元の郷土料理「ジャガイモ餅」の販売屋台を出店し、来場者との交流を通じて食文化や地域のつながりを体感した。

 昨夏(約4週間)に続き2回目の参加となった石井琴乃さん(2年)は「前回、島の人の温かさと自然の美しさに感動し、季節の違いを知りたくて再訪した。今回は収穫期の忙しさやタイミングの難しさを実感し、一度では分からない学びがあった」。その上で「徳之島の農業は奥が深く、何度来ても新しい発見がある」と充実した様子を見せた。

 受け入れ農家代表の福山宣太さん(46)=伊仙=は「農作業だけでなく共同生活を通じて成長する学生たちの姿に刺激を受けた。地域の魅力を再認識する機会にもなっている」と語り、今後も受け入れを継続する意向を示した。

 同組合の大保健司事務局長(39)は「再訪する学生も現れており、活動は授業にとどまらず、関係人口の創出や将来的な移住・定住、新規就農者の確保につながる可能性がある」と期待を寄せる。

 大学と地域、農業現場を結ぶ実践的な連携として、今後の展開が注目される。