徳之島で過去最多

奄美大島と徳之島において回収された希少種の死因内訳(2024年)

アマミノクロウサギ交通事故死 トゲネズミはイヌネコ捕殺
環境省・希少ほ乳類死因内訳発表

 環境省は2日、2024年1年間に奄美大島と徳之島で回収された希少ほ乳類(アマミノクロウサギ、ケナガネズミ、アマミトゲネズミ、トクノシマトゲネズミ)の死体確認件数と死因内訳を発表した。アマミノクロウサギとケナガネズミの死因は交通事故が最も多く、徳之島のアマミノクロウサギでは過去最多。トゲネズミについては、両島でイヌやネコによる捕殺が多い傾向となった。

 同省は、希少な野生動物の生息に影響を及ぼす要因の把握や保護対策の活用のため、野生動物の死体や傷病救護の情報を収集し、データの整理・分析を行い公表している。

 24年に回収された希少ほ乳類4種の死体は363件(奄美大島282件、徳之島81件)。内訳は、▽アマミノクロウサギ242件(177件、65件)▽ケナガネズミ103件(92件、11件)▽アマミトゲネズミ13件▽トクノシマトゲネズミ5件。23年との比較では、いずれも減少した。

 交通事故の死体確認件数は、▽アマミノクロウサギ163件(奄美大島121件、徳之島42件)▽ケナガネズミ42件(39件、3件)▽アマミトゲネズミ1件▽トクノシマトゲネズミ2件。

 徳之島のアマミノクロウサギの交通事故死は、22年の確認数41件を抜いて過去最多となった。

 交通事故が多発している道路は、奄美大島では▽県道79号線(大金久~今里間)▽国道58号線役勝トンネル~網野子トンネル▽同三太郎トンネル前後▽県道85号線湯湾新村線▽湯湾岳周辺の林道▽町道網野子峠線・嘉徳線。徳之島では県道618号線(松原轟線)当部集落周辺など。

 同省の担当者は「希少なネズミ類の交通事故も近年確認されるようになった。多発地点を示す警戒標識がある場所では、急な飛び出しに注意してもらいたい」と速度を落としての運転を呼び掛けている。

 イヌやネコによる捕殺事例は、▽アマミノクロウサギ23件(奄美大島14件、徳之島9件)▽ケナガネズミ3件(同3件、同0件)▽アマミトゲネズミ6件▽トクノシマトゲネズミ2件。数字は、車道を中心とした発見と回収に限られているため、「実際の捕殺数のごく一部に過ぎない」と分析している。

 奄美群島国立公園管理事務所の広野行男所長は「アマミノクロウサギを例にとると、夜間の道路を選んで生活環境としている。こうした習性や生態を踏まえ、関係機関と連携し効率的な対策を講じていきたい」と話した。