親子でシイの実を拾う参加者(8日、龍郷町の奄美自然観察の森)
全国の動物園などで飼育されているアマミトゲネズミにシイの実を届ける自然体験会(奄美博物館、世界自然遺産推進共同体共催)が8日、龍郷町の奄美自然観察の森であった。親子連れなど約40人が参加。トゲネズミの大好物だというオキナワジイ(スダジイ)の実を拾い集めた。
アマミトゲネズミは、奄美大島だけに生息する国の天然記念物。環境省レッドリストで絶滅危険度が上から2番目の絶滅危惧ⅠB類に登録されている。
環境省は2009年に「生息域外保全の基本方針」を定め、17年から日本動物園水族館協会(JAZA)と連携し、島外の3施設で飼育を開始した。現在は、全国10か所で79匹を飼育、6か所で展示公開されている。
自然体験会は19年に始まり5回目。今回は、熊本市動植物園、神戸どうぶつ王国(兵庫県)、甲府市遊亀公園附属動物園(山梨県)の飼育員や、大和村のアマミノクロウサギミュージアムQuruGuru(くるぐる)のスタッフも参加した。
座学で、▽シイの実の見分け方(アマミトゲネズミはアマミアラカシの実を食べない)▽奄美大島に生息するネズミ▽飼育の状況(食餌の様子など)▽生息域外保全の目的―などの講義を受け野外に。
参加者は、観察の森内や駐車場そばで約1時間かけシイの実を拾い、凶作だった24年(約500㌘)の約5倍の約2830㌘を動物園に寄贈した。
通っている朝日幼稚園で、奄美博物館の出前講座を受け興味があったという且佳造ちゃん(5)は「拾ったドングリをいっぱい食べてほしい。まだ見たことがないから、今度お父さんに連れて行ってもらう」と好奇心を刺激されたようだった。
神戸どうぶつ王国の田中秀太飼育員は「トゲネズミは1日に1~2粒のドングリを食べる。奄美大島のものは特に好きで、選んで食べている」と話し、「奄美大島の人に動物園が何もやっているかを知ってもらう意義は大きい。域内・域外の保全の循環が生まれる」と語った。

