奄美新聞に準優秀賞

第5回「ふるさと新聞アワード」で準優秀賞を受賞した奄美新聞の連載「伝える 大島海峡・戦争遺跡」紙面

連載「伝える 大島海峡・戦争遺跡」 全国70紙から選出
地域ジャーナリズムの力顕彰
文化通信社 第5回「ふるさと新聞アワード」

 新聞や出版など活字文化を推進する事業を行う㈱文化通信社(山口健・代表取締役)=東京都千代田区=は17日、全国の市町村単位を発行エリアとする地域紙の優れた記事及び記者を表彰する第5回「ふるさと新聞アワード」の授賞者を決定した。全国70紙から選出、地域ジャーナリズムの力を顕彰するもので、準優秀賞を奄美新聞の連載「伝える 大島海峡・戦争遺跡」が受賞した。同連載は戦後80年を迎えるにあたり昨年8月に3回シリーズで掲載、今年の戦後80年に関連した紙面でも8月16日付で瀬戸内町の戦争遺跡調査を報道している。

 文化通信社によると、2021年から毎年開催している国内唯一の地域紙のための賞。全国の地域紙が集まる私設図書室「ふるさと新聞ライブラリー」(文化通信社内)にある70紙を対象に選定している。

 大学教授やメディア関係者らによる有識者専門委員6人が手分けして、70紙の1年分の紙面(24年7月1日付~25年6月30日付)を全て読み、各紙から自薦された記事を含めた上で、各委員がベスト10の記事を選出。そのほかの委員が選んだ記事も評価し合って、計32本の記事・連載を第一次審査通過とした。この一次審査結果は先月公表されたが、奄美新聞からは連載「伝える」のほか、地域共生社会の実現に向けて取り組む奄美大島の今を取材した連載「地域共生社会は今 福祉の連携」(25年1月1日付など)、希少種による農作物被害対策を進めるにあたって、この問題を広く奄美群島の人たちに知ってもらうため専門家による寄稿や座談会掲載の連載コラム「『共生』を考える 希少種による農作物被害の現場から」(同年5月26日付など)の計3本が選ばれた。

 一次審査を通過した記事・連載を「地域」に縁のある審査員5人が最終審査し、最優秀賞など各賞の授賞者が決定した。奄美新聞の準優秀賞の連載は昨年8月13日付から16日付まで3回掲載。大島海峡周辺にある戦争遺跡を調査し報告書をまとめるとともに分かりやすく説明した近代遺跡パンフレット・マップ作成の瀬戸内町教育委員会の取り組み、戦争遺跡に関連した活動(調査・発掘体験や発表など)を展開している古仁屋高校の生徒たちの取り組みを紹介した。

 この連載について審査員の山崎まゆみ氏(温泉エッセイスト)は「戦争の記憶が風化していく中で、大島海峡の戦争遺跡に関するさまざまな活動によって、歴史を語り継ごうとする地元の高校生の取り組み。町教育委員会は52の近代遺跡として整理し、パンフレットとマップを作成。地元の中学生と高校生に配布した。『歴史を伝える本物の構造物が町内に残る意義、遺跡の重要性を知ってほしい』という言葉が核心を突いている」と指摘し、「地域の人に伝えるべきことを地域の新聞がきちんとシリーズで取り上げて記録に残すことこそ、ふるさと新聞の大きな役割ではないだろうか」と評価している。

 なお、最優秀賞(1件)に輝いたのは東濃新報(岐阜県多治見市)の連載「昭和100年 紙面と時代と東濃と」。今年は昭和100年だが、同紙のバックナンバーから1年ずつ、時代を振り返る「昭和めくりコラム」を掲載。時代や地元、同紙の歴史を象徴するような出来事を紹介している。

 優秀賞(3件)、奄美新聞以外の準優秀賞(10件)、特別賞(2件)の受賞地域紙は次の通り。

 優秀賞=荘内日報(山形県鶴岡市)、熊野新聞(和歌山県新宮市)、あやべ市民新聞(京都府綾部市)▽準優秀賞=北都新聞(北海道名寄市)、室蘭民報(同室蘭市)、東海新報(岩手県大船渡市)、あぶくま時報(福島県須賀川市)、柏崎日報(新潟県柏崎市)、夕刊三重(三重県松阪市)、紀伊民報(和歌山県田辺市)、宇部日報(山口県宇部市)、宮古毎日新聞(沖縄県宮古島市)▽特別賞=須坂新聞(長野県須坂市)、市民タイムス(長野県松本市)