女子野球や奄美大島、佐仁集落への思いを語った里綾実投手(16日、奄美市笠利町)
多くの住民が集まり里投手を激励した
「ルーツに誇りを持ち、奄美の文化も発信したい」――。今夏、72年ぶりに再開する米国女子プロ野球リーグ(WPBL)でプレー予定の埼玉西武ライオンズ・レディース所属、里綾実投手(36)=奄美市名瀬出身=は16日、奄美市笠利町の佐仁へき地保健福祉館で講演を行った。7月下旬のキャンプインを前に新天地での活躍を誓い、女子野球と島への思いを語った。
講演は里投手の母・成美さんが佐仁集落出身で縁を持ち、同集落2区・南豊志区長の呼び掛けに応えて実現。祖父・西栄一さん(93)も見守る中、地元住民ら約80人が駆け付けた。
里投手は神村学園高等部、尚美学園大(埼玉県)などで活躍。女子野球W杯では日本代表選手として、2014年から3大会連続でMVPに。25年、WPBLのドラフト会議1巡目全体2位で、ロサンゼルスが指名した。
小学生時代は地元少年野球チームに入団も、中学進学後は、男子と女子に分けられる部活動を理由に、半年間女子バスケットボール部へ。しかし、野球への思いが捨てられず顧問に相談し野球部に転部。当時、成美さんから入部にあたり、「男子との体格差を理由にせず、練習は最後までやりきること」と「責任の持ち方」を諭されたと述懐し、「負けず嫌いなところは母に似た」と笑顔を見せた。
今後の女子野球については、WPBLを通した世界への普及と発展に思いを込め、「私の挑戦が報道されることで、野球以外でも子どもたちの希望になれば」と願いを述べた。
里投手は「毎年訪れる」という佐仁集落について、「(県指定無形民俗文化財の)八月踊りという、世界で唯一無二の素晴らしい文化があり、(佐仁に)ルーツがあることを誇りに思う。奄美の文化を世界に発信できれば」と話し、大きな拍手が送られた。
講演後は壮行会も開催。祝い唄が贈られ、八月踊りに興じるなど、住民とのさらなる親睦を深めた。

