希少な「徳之島コーヒー」(コーヒーチェリー)の収穫を楽しむ家族連れ=21日午前、伊仙町面縄
味の素AGF㈱派遣のバリスタらによる「徳之島コーヒー」の淹れ方アドバイスや試飲会も=21日午後、伊仙町直売所「百菜」で
【徳之島】国産コーヒーの島づくりを進める「徳之島コーヒー生産者会」(泉延吉会長、会員約35人)主催の第3回「コーヒーチェリー収穫祭」が21日、伊仙町面縄の「味の素AGF第2実証農場」であった。国内大手の飲料メーカーや総合商社、町当局と連携する「徳之島コーヒー生産支援プロジェクト」の一環で、島内外から約百人が参加し、希少な国産コーヒー豆の収穫体験などを通じて理解を深めた。
同プロジェクトは、味の素AGF㈱(本社東京)、丸紅㈱(同)、伊仙町、生産者会の4者が2017年に協定を結び推進。AGFは台風対策や土壌改良、精選機・焙煎機不足への支援を行い、丸紅は耐風性などに優れた品種の選抜・供給を担う。開始から8年が経過し、島内の栽培面積は約50㌶(うち4、5年経た成木約半数)に広がっている。
開会行事では「徳之島コーヒーの父」と呼ばれる故・吉玉誠一氏が1本の苗木を植えてから約42年の歩みを振り返り、生産者会設立や官民連携プロジェクトの始動、度重なる台風被害を乗り越えた初商品発売までの経緯が紹介された。
泉会長は「徳之島でコーヒーが産業として成り立つ姿を理想に、成長を続けたい」と語り、伊田正則町長は都内イベントで1杯千円の徳之島コーヒーがスピード完売したエピソードも披露。丸紅の石原嘉人飲料原料部長は「国産コーヒーの価値を国内外に広めたい」と述べ、味の素AGFの島本憲仁社長は「高品質な国産豆を高く買い、今後も支援を続ける」と強調した。
参加者は品種ごとに赤や黄色に柔らかく完熟した実(コーヒーチェリー)を一粒ずつ丁寧に摘み取り、果肉を除く精選作業も体験した。
東京と神奈川から個々に観光で訪れ現地で意気投合したという20代の女性グループ3人は「都会の人は、こうした体験型の農業観光の交流に魅力を感じる」。一方では「直行便がないため非常に来づらい。交通アクセスが改善されると観光客はもっと増えると思う」と口をそろえた。
午後からは伊仙町の直売所「百菜」で、派遣バリスタによるコーヒーの淹(い)れ方講座や試飲会も行われ、国産コーヒーの魅力を発信した。

