カトリック赤羽教会で献茶会

赤羽駅東口からにぎやかなアーケードを右手に見ると、ゴシック様式の赤羽教会が建つ。今年創立75周年を迎える


同教会の聖堂内で開かれた「献茶会」の様子(赤羽教会提供)


キリストの祭壇にささげられたお茶(赤羽教会提供)


カトリック赤羽教会の平神父と水上さん(赤羽教会提供)

奄美出身、平主任司祭が企画
今年75周年の祝賀イベントに向けて

 東京・JR赤羽駅近くにたたずむゴシック様式のカトリック赤羽教会は、今年11月に設立75周年を迎える。奄美市名瀬大熊出身の平孝之主任司祭(56)は、同イベントに先駆けて4月14日、同教会の聖堂で「キリストに献(ささ)げるお茶会」を開いた。

 当日、同教会聖堂内には数多くの信者たちが訪れ、平神父のミサを聞いた。その後、前列の教会椅子が片づけられ、緋毛氈(ひもうせん)が祭壇近くに敷かれた。着物姿の表千家流茶道教授の水上麻由子さんが「キリスト教とお茶についての講話」後に、水上さんが一服のお茶を祭壇にささげた。初めてのイベントに信者たちは「祈るように静かだった」と水上さん。 

 同企画を考えた平神父は、「お茶とミサは深い関わりがある。例えば、お茶は和菓子。ミサはパンとブドウ酒のみ。ほとんどの所作が似ていて、奥深い」と語り、同教会の心を育てる子育て後援会で水上さんが講演をしたことを機に、75周年の記念イベントとして採用したという。

 自らもミッション系の東京雙葉(ふたば)高で洗礼を受けた水上さんは、「献茶会が実現するなんてびっくり。当日はお茶を知らない信者さんが多かったのですが、緊張しながらも祭壇前でお茶のセレモニーが喜ばれたことをありがたく思った」と感慨深げに話した。

 平神父が所属していた古田町カトリック教会にも訪れた水上さんは、『おうち茶道のすすめ』(二見書房刊)など、茶道を日常に取り入れる活動を実施。「奄美でもぜひ、献茶会を行いたい」と期待している。