不祥事案件を陳謝

野川県警本部長 自身の隠蔽は否定
県議会総務警察委

 【鹿児島】鹿児島県警の前生活安全部長が守秘義務違反の疑いで逮捕・送検された勾留理由開示手続きで「野川明輝本部長が県警職員の犯罪行為を隠蔽(いんぺい)しようとした」と明かした件で11日、県議会の総務警察委員会で野川本部長=写真=が釈明した。昨年から県警職員による不祥事が相次いだことを受けて野川本部長は「本来なら県民の安全安心を守る県警職員が多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことをおわびする」と陳謝。一方で自身にかけられた隠蔽の件については「本部長として必要な指揮を行い、隠蔽を意図して指示したことは一切ない」と否定した。

 職務上知り得た秘密を退職後に漏らしたとして、前生活安全部長で元警視正の本田尚志容疑者が、国家公務員法の守秘義務違反の容疑で逮捕・送検され5日、勾留理由開示手続きがあった。本田容疑者は容疑を認めた上で、野川本部長による「県警職員の犯罪行為の隠蔽が許せなかった」と動機を語っていた。

 本田容疑者は、枕崎署の巡査部長がトイレに侵入して女性を盗撮しようとした件について、野川本部長が「泳がせよう」などと言って捜査指揮簿に本部長印を押さなかったと主張。野川本部長は「前生安部長が指揮伺いに来た事実はない」と否定した。その上で「この件は国家公務員法違反事件を起こした動機に関することなので、なぜこのようなことを行ったのか、事件捜査の中で必要な確認を行っていきたい」と話した。

 昨年から県警職員によるストーカー行為、盗撮行為などで逮捕者が出るなど、不祥事が相次いでいることを受けて野川本部長は「県公安員会の指導の下、職員一丸となって全容解明に努め、県民の信頼回復に努めたい」と誓っていた。