奄美の葬儀研究、新刊

立神さんによる著書の表紙(提供写真)

博士号取得の立神さん論文まとめる
変遷追い現代との共存描く

【東京】奄美独特の葬儀をテーマに2024年、神奈川大学大学院で博士号の学位記を授与された千葉県千葉市在住の立神作造さん(75)。このほど、学位記論文をまとめた著書を刊行した。伝統の重みと今も息づく葬儀の姿に触れる貴重な興味深い内容となっている。

同著は『奄美大島における今日的葬儀の民俗学的研究』。大隅半島(南大隅町)に生まれ育った立神さんが著したもの。「―龍郷町円および宇検村平田(へだ)・湯湾を中心としてー」が副題にある。

きっかけは、なじみの奄美料理店店主らとの交流で奄美の葬送儀礼に興味を抱いたこと。13年の修士論文(放送大学大学院)で奄美大島におけるシマ唄、八月踊りなど民俗芸能の観光資源を研究課題にした。

その後「奄美大島の土葬から火葬に移行後の葬送儀礼に関する研究がほとんど見られない」などの背景から調査を開始。15年11月から23年8月まで円と平田・湯湾を中心に奄美市内の墓地、葬儀社、寺院を訪れ関連する東京の郷友会関係者にも会った。また、土葬の葬儀を体験した集落の長老らへの聞き込みなども精力的に行った。やがて「神奈川大学大学院・歴史民俗資料学研究科・歴史民俗資料学専攻、立神作造」として同年に学位論文を提出。そして今回の著書に至った。

立神さんは「人口減少と高齢化の進む、龍郷町円と宇検村平田・湯湾における土葬の葬儀と火葬の葬儀の変化と継続の関係性の研究の中で、奄美大島の伝統的な葬儀文化がどのように変わってきたのかを追いながら、現代の新しい要素との共存を描くもの」と解説。「奄美大島では、近代以降、薩摩・鹿児島本土の影響下にあって、葬儀の本土化が進む中、変化しながらも、今なお、それぞれの地域で伝統的な葬儀のやり方が受け継がれている。伝統の重みを感じつつ、今も息づく儀礼の姿に触れる一冊です」と紹介している。

A5判並製268㌻の同著は定価2400円(消費税別)で送料は430円~。申し込みは購入部数、申込日、氏名(フリガナ)、郵便番号、電話番号、ファクス番号を明記しファクスで。申込先は㈱盈進社(えいしんしゃ)電話番号03・3262・3471(担当:川波さん)。ファクス番号は03・5210・7226メールアドレスinfo@eishinsya.co.jp