「コウモリの手のひみつ」をテーマに研究成果を報告した池田さん
広短型「奄美環境に有利」
東大特任研究員・池田さんコウモリ翼手研究で成果発表
奄美群島での研究の最前線を伝える、第51回鹿大島嶼(とうしょ)研究勉強会「奄美分室で語りましょう」(同センター奄美分室主催)が7日、奄美市名瀬の同分室であった。東京大学農学生命科学研究科で特任研究員の池田悠吾さんが「コウモリの手のひみつ」と題して研究成果を発表。島固有のコウモリには、翼手が太くて短めの「広短型」の種が多いことに着目した池田さんは、「歴史が長い種ほど、奄美の環境に有利な形に進化できている」などと報告した。
奄美群島に生息するコウモリは全8種類で、このうち4種類は本土でも見られる。池田さんによると、翼手が広短型のコウモリは、小回りが利くことから密な森林や狭い島などに適応しやすい。一方、狭長型のコウモリは島や大陸に移入し広範囲に分布することから長距離移動に向いているとみられる。
昨年9月に始めた調査で分かってきたことは、島に古くから根付く種ほど、広短型の傾向は強い。池田さんは「独立した種ほど広短化している。移動形態の違いが翼手に反映されているのでは」と訴えた。
さらに、翼手の角度や指の長さの違いを本土と島のコウモリで比較・分析した池田さんは、島にいる本土の種にも変化がみられることを指摘。「長さを変えるには時間が掛かる。(狭い島では)翼手の角度を変えて対応しているのでは」と、適応進化の可能性をひもといた。
会では、会場・オンライン合わせて約30人が耳を傾けた。今後も池田さんの調査研究は続く見込みだという。

