試験利用を経てJAあまみ喜界事業本部が導入したDENBA内蔵型の海上コンテナ(提供写真)
大手商社の伊藤忠商事㈱などが出資する企業が技術開発した鮮度保持機器の活用に、JAあまみ喜界事業本部が本格的に取り組む。これまで試験的に利用し、マンゴーなどで効果が確認されたことから、同機器が内蔵された海上コンテナを導入。定期船の長期欠航時も、青果物を廃棄せずに保管・輸送が可能となった。
鮮度保持機器はDENBA(デンバ)技術を活用したもので、今回の導入に携わった㈱All Round Solution(オールラウンドソリューション)代表取締役の山里賢悟さん(45)によると、DENBA技術は独自の電位空間発生装置を用い、食材の水分子に微細振動を与える仕組み。これにより通常なら凍る温度帯でも凍結を防ぎ、細菌の発生や酸化を抑制できるという。
山里さんは昨年3月に会社を立ち上げる以前は、約20年間、鹿児島中央青果に勤務。青果卸の販売を担当し、喜界島からの青果物出荷にも携わっていた。同島からの輸送は船舶に頼っており、「海上のしけや台風で船便が欠航することがあり、夏場のマンゴーや冬場のトマト、メロンなどで問題が発生していた」と語る。特にトマトはロスを考慮し、熟す前の青い状態で収穫していたが、早期収穫によりロスは減るものの十分に熟さずに品質が落ちるという課題があった。
喜界産農作物の集出荷を担うJA喜界事業本部は、所有する冷蔵庫にDENBA機器をレンタルで設置。営農販売課によると、夏場はマンゴーやパッションフルーツなどを島外に出荷するが、「台風の影響で定期船が1週間~10日ほど欠航することがあり、特にマンゴーは傷みやすく、やむを得ず廃棄処分していた」という。対策として取り組んだ3年間の実証検証の結果、「1週間以上、10日間以上でも鮮度を保てる」と判断。これを受け、DENBA内蔵型の海上コンテナ3基を導入することを決定した。導入に際しては、町が補助事業の活用などで協力した。
今回導入したのは、20フィートコンテナ1基と12フィートコンテナ2基。JAは「夏場のマンゴー出荷時に海上輸送でコンテナを活用し、鮮度の問題を解決したい。また、DENBA技術の活用を取引している鹿児島中央青果だけでなく他市場にも売り込んでいきたい」としている。さらに、生鮮保管用としても利用する考えで、6月出荷予定のカボチャについては、梅雨時期の湿気による病気対策として活用を進める方針だ。

