知事定例会見

「閉塞感が新しい政党へ」
初当選の尾辻氏 「幅広い声を国政に届けて」
24年度県産農林水産物輸出額 最高更新の471億円

 

 

 塩田康一知事の定例会見が28日、県庁であった。参院選で鹿児島選挙区では事実上の野党統一候補となった尾辻朋実氏が初当選したが、知事は「県民の皆さんの判断の結果と受け止めている」とし、「尾辻さんにはしっかりと県民の幅広い声を国政に届けていただけるよう期待している」と述べた。

 選挙期間中、知事は自民党公認で立候補し落選した園田修光氏を積極的に応援したが、「自民党の応援というより園田さんを応援した。今後の県政において重要な課題となる医療、介護、福祉、子育てなどで経験と実績から国とのパイプが太い。県政発展のために適任と考えた」と説明した。

 今回の選挙により自民、公明の両党は惨敗し衆議院に続き、参議院も少数与党に転落した。知事は「既成政党への国民の期待が、新しい政党に向かったという気がする。国政の中で政党が多極化することになったが、政党間よりも政策レベルで活発になることを期待したい」と述べ、多党化に至った理由については「人口が減少する少子高齢化の中で地方では物価も高騰しており、こうした閉塞感が新しい政党への期待に向かい、既成政党の不満につながったのではないか」と分析した。物価高対策で消費税の減税を訴えた野党が勢力を伸ばしたが、知事は「消費税は地方にとって大変重要な財源。(減税されると)地方財政への影響が懸念される。代替財源を恒久的にどうするか、国会においてしっかりと議論していただきたい」と注文した。

 論点の一つとなった在留外国人について知事は「外国の皆さんは経済、社会活動を支えており、本県で1万5千人程度の方が生活されている。ベトナム、フィリピン、インドネシアといった国からの外国人の受け入れを促進しており、多文化共生社会の実現のため地域の皆さんと一緒になって地域づくりをしていく必要がある」と述べた。

 会見では2024年度県産農林水産物の輸出額が発表された。約104億円増加(単年度の増加額としては過去最大)し約471億円で、4年連続で11年度の公表開始以降の最高額を更新した。国別にみると最多は養殖ブリやお茶(抹茶)、牛肉が輸出されている米国の約237億円だが、トランプ関税によりブリ、抹茶には15%上乗せされる。和牛(牛肉)の方は現状からの変更はない。知事は「関税の上乗せによる価格上昇の影響を注視したい。米国以外のEUなど需要が伸びている地域の販路開拓にも取り組みたい」と述べ、和牛の輸出が再開される見通しの中国については「非常に大きな市場だけに期待したいが、今後さまざまな手続き(施設の認定など)があるということで具体的にいつからなのか、まだ見通せない。しっかりと準備していきたい」とし中国向けプロモーション、展示会への出展、産地へのバイヤー招へいなどに意欲を見せた。