文田健一郎選手親子が天城町で講演

ネコポーズで記念写真に納まる文田選手と(右隣の)父の敏郎さん

「本気でやること大事」
パリ五輪レスリング「金」
スポーツ少年らにエール

【徳之島】徳之島3世で、パリ五輪のレスリング男子グレコローマンスタイル60㌔級で金メダルを獲得した文田健一郎選手(29)=山梨県韮崎(にらさき)市出身、ミキハウス=のスポーツ講演会が29日、天城町防災センターであった。文田選手は指導者でもある父の敏郎さん(63)と登壇。子どもたちを前に「本気でやることが大事。後悔のない人生を送ってほしい」などと伝えた。

祖父の故・景造さんが天城町兼久出身。文田選手は背骨が柔らかく反り投げが得意で、大のネコ好きが高じて「猫レスラー」の異名も。2021年の東京五輪では銀メダルも得た。

この日は町民ら約190人が来場。森田弘光町長は「ようやく迎えることができた。世界の王者の足跡が天城町の歴史の中にもしっかりと刻まれる」と歓迎した。

「人生を懸けた」という東京五輪で銀メダルだった文田選手は、「今までやってきたことは全部間違いだった」と途方に暮れた経緯を説明。「どうすれば自分を肯定できるのか」と自問自答し、パリ五輪を目標に1年かけて徐々に復帰していった顛末(てんまつ)を丁寧に語った。

パリ五輪の優勝時には「まずはほっとした。高ぶる感情より東京の呪いが解けたとい気持ちの方が強かった」と振り返った。「東京はパリを勝つための与えられた試練だった」と回顧。敏郎さんも「彼の夢がかなった。東京の時も個人的には島の踊り(六調)ぐらいうれしかったが、パリはミスのない危なげのない試合運びだった」とたたえた。

最後に、天城町のスポーツ少年らにエールを求められた文田選手は「本気でやればトップになれなくても、必ず自分の強みとして身に付く。何もやらないより人生は豊かになれる」と助言した。講演後は、金・銀メダルを披露し、自身のトレーディングカードを子どもたちにプレゼント。得意のネコポーズで記念写真に納まった。