「朝は明けたり」全国で評価

総文祭で奄美群島の日本復帰運動を描いた創作劇「朝は明けたり」を演じる伊集院高校演劇部の部員たち(提供写真)

 

 

 

活躍を報告した上田顧問(左)と島口を指導した保さん

 

 

 

伊集院高校演劇部、総文祭で優良賞・脚本賞
奄美の復帰運動「全力で演じた」
上田顧問が報告

 

 

 

 日置市の伊集院高校演劇部(上田美和顧問、部員26人)が、7月26日に香川県で行われた全国高校総合文化祭(総文祭)で、奄美群島の日本復帰運動を描いた創作劇「朝は明けたり」を演じ、全国で評価を受けた。同部の上田顧問(53)は5日、奄美新聞社を訪れて活躍を報告し、「島民の強靭(きょうじん)な精神力、誇りを捨てない力強さが伝わるエピソード。お礼の気持ちで演じた。全国に見せられてうれしかった」と感謝した。

 創作劇は、戦後の米軍政下で起きた奄美群島の日本復帰運動や、その様子を全国に伝えようと奮闘したラジオ局員らの物語。MBC南日本放送が2023年に制作した開局70周年記念のラジオドラマ「朝は明けたり」を知った上田顧問が協力を願い出て、実話を基に脚本を書き上げた。

 演技では、当時の様子をより忠実に再現するため、島口やシマ唄演奏、六調なども実際に取り入れ、稽古期間中は島民らからも直接指導を受けた。「縁もあってたくさんの大人と関わることで、(部員は)演技的にも精神的にも大きく成長できた。島の人のやさしい心があって全国に行けた」と振り返る。

 総文祭へは、地区、県、九州予選を経て出場を決めた。地区を代表する猛者が集う中、伊集院高校は優秀賞に次ぐ優良賞、上田顧問は創作脚本賞を獲得した。

 学校に通って島口を教えた奄美市の保宜夫さん(83)は、「復帰した小学校6年生当時の思い出がよみがえるような迫真の演技。激動の生き様に涙なしでは観られない」と評価。上田顧問は「使命感を持って全力で演じることができた。今までで一番良かった」と部員をたたえた。

 復帰運動の創作劇について上田顧問は「調べれば調べるほど、どれだけ島民が苦労したかが分かってくる。真実の重さを少しでも伝えたかった」と強調。今後はビデオにして教育機関などへ配布する予定で、「奄美や全国の若い人が知る機会にしていきたい」と話した。