光センサー選果選別は価格安定

奄美大島選果場に設備された光センサー。糖度などの品質を保証することから利用することで有利販売につながる


JA共販のタンカンを箱詰めする選果場内での作業

「品質保証品を消費者に」
下場収穫終了 樹勢回復取り組みを
奄美大島タンカン

 特産果樹タンカンの奄美大島での集出荷は、下場(平場)にある果樹園の収穫作業が終わり、生産量の多い上場(山場)へと移行している。JAあまみ大島事業本部が管理運営する奄美大島選果場には共販(JA販売)と委託(選果選別のみ)用が持ち込まれているが、品質保証が可能な光センサーが設備されていることから、関係機関は選果場を利用し品質保証品を出荷する取り組みを生産農家に求めている。

 地元市場(名瀬中央青果)の市況をみると、13日のタンカン取り扱い(6・9㌧)ではキロ単価で高値517円、安値54円。下場で収穫されたものが多量に入荷しており、安値になると10日の入荷品では22円まで下がることもあった。これに対し市場持ち込みの光センサー選果選別品は高値・安値で238~180円と価格が安定している。

 奄美市奄美大島選果場管理運営協議会のフルーツブランド確立推進員・熊本修さんは「光センサーを利用することで(ランク付けにより)品質が保証されたものを購入者である消費者に届けることができる。この認識を持ち生産者は選果場を利用してほしい」と呼び掛ける。販売先から信頼される産地づくりに向けても利用が欠かせない。光センサーを通った果実の場合、糖度は10度以上で、それ以下は規格外となる。また光センサーを利用すると選果データが提供されることから、データを活用した果樹園づくりを進めることで品質向上、生産安定に役立てることが可能だ。

 JAの共販出荷計画は数量64・4㌧(前年度実績比3・1㌧増)、キロ単価806円(同約200円高)。現在の市況をみても共販は高値を設定している。JA果樹技術指導員の大山綱治さんは「露地で生産されているかんきつの中で、この価格設定はかなり高い。共販の優位性、有利販売につながることを理解してほしい」と指摘するとともに、販売をJAが担うことで農家は次年度産のための管理作業ができるメリットを挙げる。

 収穫後の管理作業は肥料の投入(春肥と窒素)であり樹勢回復につながるという。熊本さんも「収穫直後の作業によって次年度生産の8~9割が決まる。2月の半ばに入って気温が上昇してきただけに下場にある果樹園では、先のことを見据えた栽培管理を。収穫作業も時間をかけて行うのではなく一斉に進めてもらいたい。計画的な出荷により販売の方はJAに任せる共販の方が管理作業に支障がなく、それによって質や量が向上する」と語る。

 タンカンの集出荷は大和村の福元地区、奄美市名瀬の本茶地区や安木屋場地区(小湊)といった生産量の多い上場での収穫が進むことでピークを迎える。着果状態から量が多く、また昨年のような鳥害もないことで多量の果実が地元市場などに持ち込まれる可能性がある。価格への影響、光センサーがある選果場利用による差が注目されるが、量の増加で市況が低迷しても計画変更により選果場に出荷することはできない。販売計画の裏付けとなる選果場利用予約が終了しているためで、関係機関は産地づくり、「奄美たんかん」ブランド確立のためにも次年度は選果場利用を呼び掛けている。