和泊町で今帰仁村歴史文化講座

今帰仁グスクから出土した陶磁器について講演する柴田圭子氏(14日、和泊町)

 

 

 

人骨と陶磁器からわかるグスク時代
沖永良部、与論関係する硫黄の交易ルート可能性

 

 

 

 【沖永良部】2025年度今帰仁(なきじん)村歴史文化講座「海がつなぐ、えらぶと今帰仁~土器と骨が語る、もう一つの琉球史~」(和泊町主催)が14日、和泊町のあかね文化ホールであり、考古学の専門家2人が講演した。

 友好都市協定を結んでいる和泊町と今帰仁村の交流促進を図ろうと開催。沖縄県今帰仁村歴史文化センター館長の玉城靖氏と愛知県埋蔵文化財センター嘱託調査員の柴田圭子氏が講師を務めた。
 「今帰仁のグスク時代人」をテーマに講演した玉城氏は、2022、23年に調査した今帰仁村の勢理客中道原洞穴遺跡から見つかった11世紀末~15世紀頃のグスク時代の人骨9体のミトコンドリアDNAを分析した結果を報告。沖縄在地の縄文系遺伝子が5体、渡来系遺伝子が4体だったがわかり「ヤマトゥンチュとウチナーンチュの混血がグスク時代に進んだことは陶磁器などの流通からおおよそわかっていたが、遺伝情報と考古資料の両面で検証された画期的事例だ」と述べた。

 柴田氏は、今帰仁グスクのほか、沖縄本島や奄美群島の遺跡から出土した陶磁器の種類や出土量を調べた結果、今帰仁グスクでは13世紀後半~14世紀前半に貿易による陶磁器が増えている特徴があるとし「福建白磁や青磁の良品などが多く、広範囲から陶磁器が流入している。福建からの陶磁器の大きな流れがあり、今帰仁グスクが主要な消費地になっている時期が存在するのではないか」とした。また、琉球から明時代の中国に輸出されていた硫黄に注目し、「硫黄鳥島産の硫黄が、沖永良部から与論、今帰仁へ至る交易ルートがあったのではないか」と話した。