中国向け「リキュール商品」輸出本格化

中国へ輸出されるリキュールを見送る町田酒造㈱の職員(右、中村安久代表取締役社長)

今回輸出された「奄美すもも酒」と「奄美たんかん酒」

町田酒造㈱ 今年度初の出発式
過去最高の出荷量見込む

 龍郷町の町田酒造㈱(中村安久代表取締役社長)は26日、今年度初の中国への輸出出発式(720㍉㍑のリキュール6240本)を行った。同社は3年前からアメリカ、中国、マレーシアをはじめとした国に輸出をスタート。海外では数年前から日本食ブームに伴い、日本で作られた酒に人気が集まっている。

 同社の平島将常務取締役によると、「前年までは同社の4~5割ほどアメリカへの輸出が占めていたが、新型コロナウイルスの影響で売り上げは半分近く落ち込んだ。一方、中国は一時レストランの休業などで落ち込んだものの、インターネット、デーパートやスーパーでの販売数が好調」だという。中国には「バイチュウ」という焼酎に似た蒸留酒があるため、「奄美すもも酒」や「奄美たんかん酒」といった黒糖焼酎に奄美の果実などを漬け込んで仕込んだリキュールが好まれる。

 また、平島常務取締役は、アメリカや中国などの海外の代理店とのつながりは「まさにご縁」と言い、丁寧に関係を育んできたと話す。現在10か国を超える取り引きがある。

 中村社長は「新型コロナウイルスの感染拡大が中国から始まったことから中国向けの輸出を心配していたが、杞憂に終わった。今年度は720㍉㍑瓶約2万5000本という過去最高の出荷量を見込んでいる。また、国内の飲酒離れが進んでいるため、今後更なる海外進出も進めていく。『奄美黒糖焼酎』から多くの人に奄美に関心を持っていただき、実際に訪れて飲んでほしい」と力を込めた。

 リキュールは名瀬港から鹿児島港、薩摩川内港を経由し、6月上旬に上海港へ到着する予定。そこから中国全土の代理店へ渡り販売される。