奄美市で群島議員大会

3年ぶりに奄美市で開催された奄美群島市町村議会議員大会

奄振法延長し「持続可能な発展へ」
新型コロナ見据え経済対策など決議

 第63回奄美群島市町村議会議員大会(同市町村議会議長会主催)が10日、奄美市名瀬の市民交流センターであった。2024年3月(23年度末)に期限を迎える奄美群島振興開発特別措置法延長に向け、「奄美群島の自立的で持続可能な発展と、地方創生による地域の活性化を目指す」などとする大会宣言を採択、新型コロナウイルス感染症の収束に向けた対策や奄美群島振興交付金の充実・拡充など18項目を決議した。各地域から提出があった計5議題も採択した。同大会は、2019年に龍郷町で開催されて以降、新型コロナウイルスの影響で、2年連続で中止。3年ぶりの開催となった。

 大会には、群島12市町村の議員や首長、地元選出の国会議員や県議など関係者約180人が出席。同議長会の前田豊成会長(龍郷町議長)が「新型コロナは収束の兆しが見えず地域経済に大きな影響を及ぼすなか、世界自然遺産登録など明るい話題もある。これからは、24年度以降の奄美群島振興特別措置法の延長、拡充に向けて取り組んでいきたい」などとあいさつ。開催地である奄美市の安田壮平市長が歓迎のあいさつを行ったほか、県選出の国会議員らが祝辞を述べた。また禧久伸一郎、向井俊夫、壽肇の3県議が県政報告を行った。

 大会宣言では、奄美市の西公郎議長が、新型コロナウイルス感染症収束を見据えた経済対策や奄美群島振興交付金を活用した産業振興や人材育成、24年3月末で期限を迎える奄振法の延長に向け、「群島の自立的・持続可能な発展などを目指す」などとする宣言案を読み上げ、全会一致で採択した。

 各地域が提出、採択した議題は、▽離島地域における物価高、燃油価格差の是正(奄美市)▽国道58号(奄美市住用町役勝~網野子トンネル起点間、勝浦~阿木名間のトンネル化)の改良促進(大和村、宇検村、瀬戸内町)▽島外治療の交通費助成(龍郷町、喜界町)▽徳之島地区の病床数の増床(徳之島町、天城町、伊仙町)▽サトウキビハーベスタ利用助成金の創設(和泊町、知名町、与論町)―の5件。

 「奄美群島振興交付金の充実・拡充」「奄美群島成長戦略ビジョンに基づく各種施策の推進」や「国立公園、世界自然遺産の保護管理と利用推進」、「奄美群島振興開発基金の充実・強化」など18項目を決議、国・県に要望し実現を目指す。

 大会後には研修会も行われ、同開発基金の本田勝規理事長が奄美群島の振興策などについて講話した。

 大会では、議長在職6年以上の議員などを表彰する自治功労表彰も行われた。表彰者は次の通り(敬称略)。

 【議長6年以上在職議員】喜島孝行(宇検村)、永野利則(和泊町)
 【10年以上在職議員】喜島孝行、吉永常明(宇検村)、元井直志(瀬戸内町)、秋田浩平(天城町)、久田高志(同)、桂弘一(和泊町)、中田隆洋(同)、髙田豊繁(与論町)、林敏治(同)
 【5年以上在職議会事務局職員】元原克也(伊仙町)、福永勝人(知名町)