赤土流出防止対策としてカボチャ栽培が行われているほ場では、緑肥作物ソルゴーの利活用を視察した(大島支庁総務企画課提供)
奄美地域赤土等流出防止対策協議会(会長・松藤啓介大島支庁長)の2024年度合同パトロールが19日、奄美市笠利町の農地2か所であった。カボチャ栽培では、イネ科の緑肥作物ソルゴーの利活用により耕作地でできる対策を視察した。
建設・土木、農業などの分野での赤土を流出させない取り組みを視察しており、今年度はいずれも同町宇宿地区のサトウキビ収穫ほ場、春カボチャ栽培ほ場で実施。事務局の同支庁総務企画課によると、大島支庁の関係課、奄美大島内自治体からは奄美市、龍郷町、大和村の建設関係担当職員、関係団体として県土地改良事業団体連合会大島事務所の計25人が参加した。
視察したカボチャほ場は新規就農者の取り組み。大島支庁農政普及課によると、カボチャ栽培では定植後、茎葉がほ場全体を覆う前の豪雨や長時間降雨は、表土が路面に流出したり、肥料分が流亡したりするため、生育不良や収量・品質低下の大きな要因になっているという。こうした生産面だけでなく、ほ場から大量に流出した土粒(泥水)は、河川や海の環境に大きな負荷を与えることが懸念されている。
そこでソルゴーの利活用を推進。カボチャを取り囲むように播種(はしゅ)しての防風対策、刈り取りし土面(裸地)に敷く敷き料としての活用はマルチ栽培効果だけでなく耕土流出を抑制できる。さらに土にすき込むことで有機物の補給につながり、収量増に役立つ。視察したほ場も生産者がソルゴーの利活用を実践しており、カボチャ生産面、赤土流出対策とさまざまな部分で役立っていることを確認した。
キビほ場では、農事組合法人奄美市さとうきび受託組合の取り組みを視察。収穫機械ハーベスターなどの大型機械の踏圧により、ほ場内に耕盤層(こうばんそう=硬く締まった層)ができてしまうと水が浸透せず、排水に支障が出て降雨による赤土の流出を招く。対策として受託組合ではプラソイラー(農業機械)を使い、天地返しをするように耕盤層を破壊・深耕して排水性の向上により、水が下へ流れるようにしている。さらに「ほ場内で作業後、機械についた赤土をほ場内で落とすことで外への流出防止」「ほ場間移動で路面に赤土が流出した場合は、適時清掃を行い、赤土をほ場内へ戻す」といった取り組みの説明もあった。
総務企画課によると合同パトロールに同行し視察した松藤支庁長は「人の営みと自然環境の保全の両立は、世界自然遺産に登録された島として命題であり重要な取り組み。パトロールにより得た知見を蓄積し、対策の普及を図っていきたい」と述べた。

