
満開時期を迎えているものの開花している樹木が少ない奄美市名瀬根瀬部地区にある「タイワンヤマツツジ」の群生地(開花樹木〈上〉と自生の様子)
曇り空の中にも澄み切った青空がのぞくこともあった3日の奄美地方。奄美市名瀬の最高気温は前日の2日、3月28日(22・8度)以来5日ぶりに20度を超え20・6度まで上昇した。3日も19・7度と20度近くまで上がった中、根瀬部地区にある群生地では開花している「タイワンヤマツツジ」が柔らかい日差しを浴びて輝いた。貴重な群生地も蛾(が)の幼虫被害で、開花していない樹木の方が多い状況にある。
群生地は大和村間を結ぶ宮古崎トンネルの根瀬部側入り口から右折する旧道に面する。眼下に東シナ海が広がる小高い丘にあり、丘の頂上部分から斜面にかけて自生。奄美市の文化財(天然記念物)に指定されている。
市教委が群生地の入り口に設置している看板によると、タイワンヤマツツジは、奄美大島以南のいくつかの島々に分布し、平地から山地の日当たりがよい斜面地などに生育するツツジ科の低木。奄美大島に数多く自生するケラマツツジよりも葉と花が一回り小さいのが特徴。開花時期は2~4月頃。一斉に赤い花を咲かせるが、街路樹などとして植栽されている園芸種に比べ花の色は淡い。
根瀬部集落住民によると、例年満開となるのが旧暦のサンガツサンチ(今年は3月31日)の頃。満開時期を前に集落の町内会では群生地で草刈りを行っており、作業によって安全に出入りでき見晴らしは良好となっている。樹木の数は多いものの、満開時期でも開花はまばら。蛾被害によるもので、先端が枯れた樹木もあり、ツボミ自体少ない。住民は「集落にあるタイワンヤマツツジは蛾の駆除によってたくさんの花をつけている。対策を施さないと群生地が残っても開花を見ることができない状態になるのではないか」と懸念する。なお、一帯は奄美群島国立公園第3種特別地域に含まれている。

