贈呈式に参加した左から知名町の今井力夫町長、芳賀日向さん、和泊町の前登志朗町長(1日、知名町)
鑑賞会で説明する芳賀ライブラリーの棚木晴子さん(1日、知名町)
【沖永良部】民俗写真家の故芳賀日出男さんが撮影した昭和30年代の沖永良部島の写真データの寄贈式が1日、知名町のエラブココであった。写真を保存する㈱芳賀ライブラリーから沖永良部2町へネガ205本分6000~7000カットの写真データが贈られた。
芳賀さんは、日本の民俗写真の第一人者。昭和30年から3年間、九学会連合による学術調査チームに参加し、奄美群島の民俗行事や祭礼、暮らしなどを撮影した。
今回、日本の情報を海外へ発信する公益財団法人ニッポンドットコムの協力のもと、芳賀さんが撮影した沖永良部島の全ての写真のフィルム原版をデータ化。デジタルアーカイブ作業が完了し、両町への寄贈が実現した。
芳賀ライブラリー代表で芳賀さんの長男の日向さん(68)から、写真データの入った記録媒体を受け取った知名町の今井力夫町長は「町では50年に一度の町誌編さん事業に取り組んでいる。芳賀さんの写真を大いに活用したい」。和泊町の前登志朗町長は「写真から当時の人たちのぬくもりや声、においが伝わってくる。後世に引き継ぐべき貴重な記録であり財産だ」と喜んだ。写真データは、教育や資料作成、広報、観光PRの目的で使用する。
会場には、子どもたちに昔話をする老人や住吉暗川の水汲みの様子など芳賀さんが撮影した沖永良部島の写真を展示。贈呈式後に写真の鑑賞会を行い、写真のデータ化について芳賀ライブラリーの棚木晴子さんは「本などには大事なカットだけが掲載されているが、写真を撮るまでの状況は、その前後のカットを見ないと分からない。残すのであれば、全てのカットを残したいと思った」と述べた。
日向さんは「父は頭上運搬に興味を持ち、その写真をたくさん残している」と展示された写真の一部を紹介。さらに「記録写真を撮りながらも、一つの芸術を作りたかったのだと思う。写真を地元に返したいと思っていたので、父の写真をたくさんの人に見てもらいたい」と話した。
写真データの問い合わせは、知名町誌編さん室(0997・84・3166)または和泊町教育委員会事務局(0997・92・0300)まで。

