ロードキル、昆虫トラップなどの課題を共有した奄美群島希少野生生物保護対策協議会(16日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA)
奄美群島希少野生生物保護対策協議会(会長・川瀬翼県自然保護課長)の2025年度奄美大島地区協議が16日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。環境省、県、奄美大島5市町村、民間団体などから約40人が出席、希少動植物の密猟・持ち出し対策など多面的に協議した。アマミノクロウサギのロードキル(交通事故死)対策については、今年度発足した対策部会が、事故死半減の目標を掲げた。
同協議会は、奄美群島における希少野生生物の保護に関し、関係機関の調整・協議を行う目的で2006年に発足。会合では、関係機関から24年度の取り組み実績が報告され、25年度計画が示された。
同日、協議会前に第1回会合を行ったロードキル対策部会は、関係機関が共有するビジョン(将来像)として、「知って、知らせて、みんなで減らすロードキル」を掲げ、当面の削減目標を「2023年比半減」(同年147件)とした。事故発生地点での現場対策と情報発信を強化する。
県自然保護課は、多発地点への侵入防止柵を増設予定。設置候補地に、今年すでに4件の事故が発生している奄美市住用町の国道58号三太郎線など3か所を挙げた。
奄美空港では24年度、手荷物や預け荷物等による野生生物の持ち出しが87件発生。約半数は、アマミシリケンイモリとクワガタ3種(いずれも捕獲規制対象外)が占めた。
持ち出しは、19年度以降6件、11件、18件、47件、60件と増加傾向にある。5市町村で構成する奄美大島自然保護協議会では、島外持ち出しが増える7~9月の土曜日を中心に空港に職員を配置し、生き物の持ち出し確認を行う予定。
主にクワガタ類を捕獲する目的で使われる昆虫わな「バナナトラップ」等の設置件数は24年度13件あり、うち7件が自然保護法で禁止されている国立公園内だった。
今月6日には、奄美市笠利町の国立公園地域内にある蒲生崎観光公園周辺で同様のトラップ12個が発見され、その後警告文が破棄される悪質な事例が発生。環境省奄美群島国立公園事務所の広野行男所長は「悪質な採集者に対してどのような発信ができるか考える時期に来た。実態把握に努め、対策を講じたい」と話した。
同協議会は17日、徳之島地区協議を天城町役場で開く。終了後は、徳之島町内の主要林道で夜間パトロールを実施予定。

