大量捕獲防止の「昆虫トラップ」対策も検討した奄美群島希少野生生物保護対策協・徳之島地区会合=17日、天城町役場
夜間合同パトロールには関係機関・団体の26人が参加した(出発式)=17日午後7時過ぎ、徳之島町花徳
【徳之島】奄美群島希少野生生物保護対策協議会(会長・川瀬翼県自然保護課長)の2025年度徳之島地区協議が17日、天城町役場であった。密猟や盗掘の防止に向けても関係機関で対応策を協議。現場対応する県希少野生生物保護推進員からは、共同声明だけでは不十分との指摘や、休日対応の連携強化を求める声も上がった。夜間は島内一円で合同パトロールも実施した。
会合には県自然保護課をはじめ環境省、林野庁、県徳之島事務所、徳之島3町、徳之島署などから約20人が出席。希少野生生物の保護活動や密猟・盗掘・盗採の防止対策、昨年過去最多となった国指定特別天然記念物アマミノクロウサギの交通事故死(ロードキル)対策などについて、各機関から報告があり意見交換した。
徳之島町「神嶺ダム」周辺に大量の昆虫トラップ設置が確認(今月7、8日)された男性2人組に関し、環境省は「捕獲対象や設置地域に違法性は確認されなかった」と報告。一方で、一般住民からの通報で現地に赴いた県希少野生動植物保護推進員(NPO団体会員)は、奄美大島でのオカヤドカリ違法採取事例がきっかけとなった「共同声明だけでは抑止力にならず、地域としてもっと強い姿勢が必要」とも訴えた。
同推進員は、伊仙町の区長会が昆虫トラップの町内設置禁止を決議したように、3町で歩調をそろえた対応が必要とも強調。また今回のケースで「(国・県・町当局は)土日・祝日も対応できるような連絡体制の整備を」と、情報提供に迅速に対応する仕組みづくりの必要性も指摘した。
さらに、保護対象外の種や国立公園など規制地外であっても、大量採取に対しては「土地所有者の協力を得た上での対策も重要」とも提案した。
協議では各機関の25年度の主な計画も確認。県は8月に「外来種移動博物館」を徳之島町で開催するほか、クロウサギの侵入防止柵を手々林道入り口付近に設置予定。環境省は特定外来種・シロアゴガエルの防除事業や事故防止キャンペーンを実施する。
徳之島地区自然保護協議会についても盗掘・盗採防止の合同パトロール、3町では保護パトロールや野良猫対策としてTNR(捕獲・不妊手術・元の場所へ戻す)事業などの継続も挙げた。
県と徳之島地区自然保護協議会(元田浩三会長)合同の夜間パトロールには関係者26人が参加。あいにくの空模様だったが、午後7時に徳之島町花徳(東天城中前)で出発式。計6班に分かれて島内を巡視して目を光らせ、途中、樹上に放置されたままの昆虫トラップも回収した。

