名瀬大熊町で慰霊祭

恒久平和への誓いとともに犠牲者の冥福が祈られた第52回大熊戦没者合同慰霊祭(10日、奄美市名瀬)

1963年4月、大熊遺家族会によって建立された忠魂碑。左は「戦没者合祀者名」と記された碑

戦没者61柱を悼む「世界の恒久平和に精進」
自衛官が「追悼の譜」奉納

 日露戦争から太平洋戦争の間に戦死した兵士や軍人、戦禍の犠牲となった民間人を悼む、大熊戦没者合同慰霊祭が10日、奄美市名瀬の大熊公民館で営まれた。遺族や住民、行政関係者ら約60人が参列し、献花をささげ自衛官によるらっぱの吹奏を奉納。恒久平和への誓いとともに犠牲者への冥福(めいふく)が祈られた。

 慰霊祭は1963年、大熊遺家族会が公民館に隣接する「さとはま公園」に61柱をまつる忠魂碑を建立し催行。73年以降は高齢化する遺族の意志を継ぎ、大熊町内会が主催。2019年からは公民館屋内での開催に移行し、今年で52回目を迎えた。

 式典で畑秀義町内会長(72)は「先の大戦で祖国日本のために戦い、戦禍に倒れた無念さを考えると、戦争を経験したことがない私も深い悲しみが万感胸に迫る。戦没者のご遺志を継いで大熊の安泰と発展、世界の恒久平和に向けて精進することを誓う」とあいさつ。「町内会単体で主催する慰霊祭を誇りに思い、20、30年と続くよう努める」と述べた。

 安田壮平奄美市長は来賓あいさつで「祖国を思い戦禍、銃後に倒れた方々の気持ちを思うと悲しみで言葉にならない」と哀悼の意を表し、「戦後80年とはいえ国際情勢は混とんとし、各国や地域で戦争や衝突が発生している。平和を守り、素晴らしい古里を作っていくことが私たちの責務。皆さまとより良い素晴らしい奄美市を作って参りたい」と決意を新たにした。

 陸上自衛隊奄美駐屯地の隊員も参列し、奄美警備隊長兼奄美駐屯地司令の堀内高志1等陸佐らが献花。らっぱ手の橋口尚人3等陸曹(35)が追悼の譜「国の鎮め」を奉納した。