喜界島認定へ現地調査始まる

研究者や専門家らの案内で現地を視察する日本ジオパーク委の委員ら(26日、荒木中里遊歩道)

日本ジオパーク委 ジオサイト候補地など視察
「人の暮らし、大地とひも付く」

 喜界島のジオパーク認定に向けた日本ジオパーク委員会の現地調査が25日、喜界町で始まった。3日間の日程で、26日は推進協議会のほか、地元ガイドや研究員らの案内で、見どころとなるジオサイト候補地などを視察。同委の宮原育子副委員長は「サンゴ礁の島はジオパークでも初めて。人々の暮らしも、島の大地とひも付いていることがよく分かった」と評価していた。

 喜界町は、産官学連携の「喜界島ジオパーク推進協議会」(会長・隈崎悦男町長)などを通して、認定に向けた取り組みを2018年から進めてきた。今年4月には申請書を同委に提出。5月には千葉県幕張で行われた1次審査の公開プレゼンテーションに合格し、現地調査の内定を受けていた。

 調査には、同委の宮原副委員長と山口勝委員、ジオパーク国際推進員の柴ひかり氏の3人が来島。25日の初日は、役場の隈崎町長を訪問後、180万年~4万年前の地質がむき出しになった「塩浜北方の露頭」や最高峰の「百之台国立公園展望所」などの7か所を視察した。

 2日目の26日は、島の成り立ちが分かる5段丘が一望できる「テーバルバンタ」を皮切りに、阿伝集落の「サンゴの石垣」やサンゴ礁文化が色濃く残る荒木集落などの8か所を訪れた。完新世のサンゴ礁段丘が広がる荒木中里遊歩道では、研究員らの案内で、国指定天然記念物「隆起サンゴ礁上植物群落」などを確認。案内看板やパンフレットを見た委員からは「(地質などの)価値を説明する看板が必要」「大地の基本を伝えるべき」といった助言もあった。

 27日は、推進協プロジェクトチームへのヒアリングなどが町役場であり、関係者らが意見交換を行う。認定の可否は、今回の調査報告書やジオパーク委員会での協議などを踏まえ、早ければ10月初旬頃に判明する。

 視察を終えた宮原副委員長は、「喜界島の魅力に気付いてもらえるような発信の仕方など、今後は整備が必要」などと課題を挙げ、「ジオパークは行政だけでなく地元住民と一緒になってつくることに意義がある。ボトムアップの活動。ガイドなども育成しながら頑張ってほしい」と話した。

 日本ジオパークは、貴重な地形や地質を保全し研究や教育に生かす地域認定プログラムで、これまでに全国の47地域が認定されている。喜界島は、10万年前にサンゴ礁が隆起してできた島で、地球の成り立ちが分かるなど、地質学的に重要な地域として世界が注目している。