不妊虫放飼含めて対策検討

国主体で防除確立、広域要請へ
県議会代表質問

 

クロウサギ食害 対応の侵入防止柵整備

県議会9月定例会は11日、引き続き代表質問があり、県民連合の福司山宣介議員=鹿児島市・鹿児島郡区=、公明党の松田浩孝議員=鹿児島市・鹿児島郡区=が登壇した。主にウリ科など果菜類の害虫セグロウリミバエ対策で不妊虫放飼や沖縄との連携を求める質問があり、国が主体となって防除体制の確立や広域での防除体制の整備などを進めるよう県開発促進協議会などを通じて要請するとの答弁があった。

奄美群島における農業被害の対応について松田議員が取り上げた。大平晃久・農政部長は不妊虫放飼法について「放射線によって繁殖能力を無くした大量の虫を野外に放し、野生の虫の交尾を妨げることで害虫を駆除する方法であり、県としてはセグロウリミバエの重要な防除技術の一つと認識している。現在、国や沖縄県等と情報交換を行いながら本県における不妊虫放飼を含めて防除対策の検討を進めている」と説明。沖縄県では一定数の不妊虫を生産しており、6月から放飼が開始されているが、「セグロウリミバエの詳しい生態が明らかとなっていないため、検討を重ねながら段階的に生産頭数の向上に取り組んでいると聞いている」と述べた。

国が主体となっての取り組みを求めるとともに、関係機関と連携し住民の協力も得ながらの防除対策を進め県内への定着、まん延防止に努める方針。

アマミノクロウサギによる農作物被害に関し大平部長は「タンカン、サトウキビを中心に増加傾向にあり、2024年度は対前年度比105%の約1千万円となっている」と報告。国内希少野生動物種に指定され捕獲等ができないことから、県では22年3月に「アマミノクロウサギ農作物被害対策マニュアル」を作成。今年3月には、こうした対策をより効果的に実践するためタンカンの木をビニール資材で保護する方法、ほ場周辺を専用の柵で囲う侵入防止対策など写真やイラストを用いたパンフレットを新たに作成し、関係機関を通じ農家に配布。また、国の交付金を活用してクロウサギに対応した侵入防止柵の整備も進めているとした。

大平部長は「今後も市町村等と連携しながら農業とアマミノクロウサギの共生を図る取り組みを推進していく」と述べた。

県税収入確保、観光のさらなる振興へ市町村と連携しての宿泊税導入の質問があり、桑代毅彦・観光・文化スポーツ部長が答弁。この中では「県内において5市町(奄美関係は奄美市、与論町)が導入に向けて検討を行っている」とした上で、今年3月に定めた県の第4期観光振興基本方針で「観光振興施策(国内外からの誘客や魅力的な観光地の整備等)を安定・継続的に実施する必要性を含めて財源に関して検討することを新たに位置付けた」と報告した。

24年度から庁内での勉強会、今年度から課長級等職員からなる庁内検討委員会を開催するなど県内外の自治体の情報収集を行いながら宿泊税の必要性について議論。宿泊事業者の負担への対応など宿泊税を導入するとした場合の課題について検討するとともに、導入を検討している市町村や観光事業関係者の意見を聞きながら検討を進めている。導入にあたっての課題について再質問があり、桑代部長は「税を手段とすることがふさわしいか、税以外の適切な手段がないか検討のほか、宿泊事業者の理解」を挙げた。

発達障がいに関する専門医不足に対し、児童青年精神医学に関する寄付講座設置について、伊地知芳浩・保健福祉部長は「7県で設置されていると把握している。設置県では専門医の育成が進んだ一方、育成した医師にそのまま県内で従事してもらえるかなどの課題があると聞いている」と答弁し、鹿児島県の取り組みについて「地域における発達障がい児の療育体制の整備充実を図ることが重要と考えており、県こども総合療育センターを『センター・オブ・センターズ』とし、県内どの地域においても一定水準の発達診療対応が可能となるよう、地域のかかりつけ医等を対象に研修を実施していく」と述べた。再質問での答弁では、発達障がい診断できる医療機関数について県内に36機関(23年3月時点)あるとし、こうした医療機関数の増を目指すとした。

16日から一般質問に入る。