キビ「ハカマ」資源を回収・活用

研修講演では、サトウキビ「ハカマ」資源回収による肉用牛粗飼料活用の試行成果が関心を集めた=25日、伊仙町

粗飼料自給率向上、コスト削減期待も
大島地区肉用牛生産振興研修会 伊仙町

 【徳之島】2025年度大島地区肉用牛生産振興研修会(大島支庁農政普及課主催)が25日、伊仙町のほーらい館であった。地区内の肉用牛生産農家や県、市町村の農政担当者ら関係者約55人が参加。サトウキビの機械収穫時に出る梢頭(しょうとう)部や葉など「ハカマ」資源を回収して粗飼料に活用する取り組み成果報告など2題の講演と、多頭飼養農家の事例発表が行われ、技術研さんと交流を深めた。

 同研修会は、肉用牛経営における飼養管理技術の向上や自給飼料の確保推進を通じて、地区の肉用牛振興を図ることを目的に持ち回りで開催している。主催者は開会あいさつで、大島地区が県内第2位の子牛生産地(25年2月現在)に成長し、子牛価格も持ち直し傾向にある一方で、「配合飼料価格は高止まりしている。粗飼料自給率の向上と所得向上対策を引き続き進める必要がある」と呼び掛けた。

 研修では、県徳之島事務所農業普及課の西村直人技術主幹が「徳之島におけるハカマ回収利用の取り組みについて~肉用牛経営における地域資源を活用した稼ぐ力の向上~」と題して講演。サトウキビ収穫機(ハーベスター)にローダーを並走させてハカマを回収する「ハカマロールサイレージ」の生産実証や給与調査の結果を報告した。品質改善により粗飼料としての利用が可能で、1日1頭あたり425円のコスト低減効果を確認。乳酸菌添加によりサイレージ発酵品質の向上も見られたとし、「冬期の粗飼料不足解消とコスト低減の両立が可能」と述べた。

 続いて、県農業開発センター徳之島支場園芸土壌研究室の倉橋美月研究員が「粗飼料自給率向上に向けた土づくりについて」と題し講演。安定した自給飼料生産の基盤となる土壌改良の重要性を解説した。

 事例発表には、町職員から専業農家に転身し、現在は両親とともに生産牛89頭、飼料作物11ヘクタールを手掛ける伊仙町河内の源美優司さん(40)が登壇。「自給粗飼料を主体にした我が家の肉用牛経営について」と題し、機械利用による採草から粗飼料給与までの省力化や、畑地かんがい施設の高度利用(肥料混入による散水)などの取り組みを紹介。今後の規模拡大への意欲も示し、参加者に刺激を与えた。

 26日には、別の多頭飼養農家2か所を巡る現地研修が予定されている。