あやまる牧場、27日オープン

あやまる牧場で、トカラ馬の飼育、調教に取り組む中野さん

あやまる牧場2
牧場には、引き馬や、子どもぐらいの体重であれば乗馬も可能なミニチュアホースも

県天然記念物トカラ馬を飼育、調教
喜界馬復活の第一歩

 奄美市笠利町須野で、喜界馬をルーツに持つ鹿児島県の天然記念物「トカラ馬」の飼育・調教や、将来的な繁殖などを目的とした「あやまる牧場」が27日、オープンを迎える。関係者は「奄美の宝である喜界馬(トカラ馬)を生かした地域活性化や、子どもたちの情操教育などに役立つ牧場にしていきたい」と意気込んでおり、牧場誕生は、〝喜界馬復活〟への第一歩と喜ぶ。

 あやまる牧場は今年1月、同町に開所した障がい者福祉サービス事業所「共生園・のごろ」を運営する一般社団法人奄美雇用福祉支援協会(古谷雄一郎理事長)が整備。共生園はウマの世話や厩舎の管理など、ウマとの触れ合いを通じて障がい者の精神機能と運動機能を向上させ、社会復帰を早めるリハビリテーション「ホースセラピー」を導入した活動でも知られる。

 あやまる牧場の整備、運営は、古谷理事長が長年あたため続けてきた事業で、2003年から笠利町用でトカラ馬を飼い、調教のノウハウも持つ中野忠さん(52)の協力を得て実現にいたった。

 トカラ馬は、トカラ列島で飼育されてきた日本の在来種。53年に県天然記念物に指定された。体高は100~120㌢で在来種の中では最小クラス。明治時代に喜界島から宝島へ移入されたとされる。

 現在鹿児島大学の入来牧場などで保護を目的にトカラ馬保存会が自然繁殖に取り組んでいるが、「本来は故郷である奄美の地で育成・繁殖に取り組むのが理想」と話す中野さん。「喜界馬(トカラ馬)は今も絶滅せずに、こうして私たちの目の前にいる。アマミノクロウサギには乗れないが、喜界馬になら乗れる。この喜界の宝、ひいては奄美の宝を守り、地域活性化にも生かしていくべき」と熱く語った。

 あやまる牧場では、中野さんが長年飼っていたピッコロ(約13歳)と、入来牧場から昨年12月に譲り受けたアヤ(約1歳5カ月)、マル(約1歳11カ月)のいずれもメスのトカラ馬3頭。さらにオスのミニチュアホース(4歳)1頭を、中野さんや利用者がともに飼育していく計画。

 牧場の活用については今後、より具体的な検討をしていくが、「子どもたちがウマを通じてたくさんの人に出会い、夢を持ち、笑顔あふれるような牧場にしたい」(古谷理事長)という。

 集落住民の土地を借りて整備したという牧場は、あやまる岬観光公園のすぐ近くにあり、公園と一体となった観光への活用にも期待が高まる。オープンを迎える27日は関係機関や地域住民など対象とした見学会も予定している。