「ヘツカリンドウ」開花

西康範さんが奄美大島南部で撮影した「ヘツカリンドウ」。花の色は紫褐色タイプだ

珍しい紫褐色

 奄美大島南部の山中で「ヘツカリンドウ」が開花しているのを西康範さんが撮影した。ヘツカリンドウの花はさまざまな色があり、よく見られるのが緑白色の種。紫褐色は珍しく、晩秋にふさわしいしっとり感がある。

 リンドウ科センブリ属。九州(鹿児島県南部の大隅半島・甑島)、屋久島、種子島以南に分布。林縁や草地に生育する。和名のヘツカは、大隅半島の辺塚で発見されたことに由来する。

 草丈30~100㌢の1年草、越年草。花期は10~1月。花はまばらな円錐花序となり、花冠は4~5深裂し、花冠裂片は長楕円形~披針形で先は尖り、長さ12~15㍉。花の色は分布域によってさまざま。白っぽいタイプ、赤褐色タイプ、紫褐色タイプなど。生育する場所ごとの花の色の違いを観察し、写真に収めてはどうだろう。バリエーションの豊かさにより同じ花とは思えないかも。