6歳のアオウミガメ放流

海に向かって必死に歩くアオウミガメを見送る奄美小2年の児童たち(25日、大浜海浜公園)

海洋展示館 奄美小児童も声援
「がんばれ~」

 奄美市名瀬の奄美海洋展示館(竹岡紀崇館長)で25日、6年前に保護され飼育されていたアオウミガメが海に放流された。遠足で立ち寄った奄美小学校2年生の児童59人や教師、保護者らが見守る中、ゆっくり砂浜を歩き始め、子どもたちの「がんばれ~」という大きな声援に送られ古里の大きな海へ帰っていった。

 大浜海浜公園内の白い砂浜から放流されたのは6歳のアオウミガメ1匹。体長約60㌢、体重約30㌔。性別は大人(30歳くらい)になるまで分からないという。

 2017年夏、方向を見失い川にはまっていた3匹の子ガメを同館の職員が保護。当時は体重20㌘、体長3~4㌢で弱っており、すぐに海に戻せない状態だったという。

 海水に入れ餌を食べるまで様子を見たところ徐々に回復し、3年後から大水槽に入れ飼育していた。一緒に保護された2匹は成長が早く、昨年夏すでに放流済み。

 今回放流されたカメには、個体識別用のナンバリングタグが付けられ、マイクロチップが埋め込まれている。メスであった場合、大浜の砂浜に戻って産卵する可能性があるという。

 大きな声援で旅立ちを見守った田宮あんりさん(8)は「何度か餌をあげにきたのでかわいい。砂浜を歩いて元気に海に出た。(サメに)食べられず、卵を産みに戻ってほしい。楽しみ」と話した。

 同館の高村洸介学芸員は「島の子どもたちに、ウミガメを通して海の大切さを知ってもらいたいとの思いで声を掛けた。自分たちの海だと認識してもらいたい」と思いを語った。