奄美大島世界自然遺産こども会議

フィールド調査やワークショップで地域の宝を学んだ

地域の宝調べて発信を
奄美市名瀬でワークショップとフィールド調査

 2018年度奄美と琉球の世界自然遺産次世代継承交流体制構築事業(沖縄県自然保護課主催)による奄美大島世界自然遺産こども会議ワークショップ&フィールド調査が27日、奄美市名瀬の奄美小学校多目的教室などで行われた。奄美大島4市町村の児童生徒などが参加しワークショップ等を通して、講師から地域の宝を探して発信することの大切さなどを学んだ。

 同事業は世界自然遺産登録候補地(鹿児島・沖縄両県の12市町村)の子どもたちが、世界自然遺産に関する環境学習を通して自然の価値と保全する認識を深め、各自の交流を活性化し地域間の連携を確立する目的。沖縄県で離島体験交流促進事業などに取り組む、㈱カルティベイト(開梨香代表取締役)が沖縄県から今年度委託され開始されている。

 この日のワークショップなどに、大和村以外の児童生徒ら約20人が奄美大島世界自然遺産こども会議メンバーとして参加。ワークショップの講師を、児童の自主性・自立性を引き出す授業で有名な小学校教師・沼田晶弘さん(東京学芸大学附属世田谷小)が担当した。

 沼田さんが前半のワークショップで、メンバーに大切にしたい奄美大島の場所や生きものなどを質問。子どもたちからアマミノクロウサギや大島紬、きれいな海などの回答が出された。

 フィールド調査では、奄美地区(安勝町、石橋町など)内にある泥田や大島紬の染色工場他を歩いて見学。フィールド調査の講師を奄美小PTA会長の渡嘉敷誠さんが務めた。

 安勝町の染色工場では、貞健一さんが実際に染色された絹糸を子どもたちに見せて紬の染め方などを解説。続いて地区内に建設中の交流センターの工事現場を視察し、市議会議員の三島照さんから施設の概要や新川こども祭りで会場になることなどが説明された。

 奄美小に戻りワークショップ後半で沼田さんはメンバーに、「気付いたことが少なかったのは、よく知らなかったためでないか。大切にしたい地域の宝を調べて、日本中や世界中に広げてもらいたい」と情報発信を呼び掛けた。

 奄美小4年の渡嘉敷凌くん(10)は、「身近な地域にいろんなものがあるのが分かった。勉強してたくさんの人に教えられるように頑張りたい」と話した。